メルセデス所属のドライバーである20歳のパスカル・ヴェアラインが、来季マノー・マルシャからF1デビューを飾ることになるのではないかとのうわさを否定しなかった。
■来季はマノー・マルシャ・メルセデスになり、デビューの可能性大
ヴェアラインは現在メルセデスチームでDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦する傍ら、メルセデスAMGの控えドライバーを務めている。最近来季からマノー・マルシャに対してメルセデスがエンジンを供給することが最近正式に発表されたが、これにより来季ヴェアラインがマノー・マルシャのシートを獲得する可能性が高くなったと考えられている。
■今季DTMポイントリーダー
そのヴェアラインは、今週末にF1ロシアGPが開催されるソチへは姿を見せないことになっている。ヴェアラインにとっては、今季のDTMタイトルをその手に収めることが現在の最優先課題となっており、ホッケンハイムで開催される最終戦(18日決勝)に向けての準備に専念するためだ。
メルセデスのモータースポーツ責任者であり、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターを兼任するトト・ヴォルフは、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「パスカルは、現在DTMのポイントリーダーだ。だから、彼はそこで勝つことに集中しているところだ」
「だが、彼にはF1ドライバーとなる資質が備わっている。だから、我々としてもなんとか彼にシートを与えたいと考えているんだ。そのためにはまず彼にふさわしい場所(チーム)が必要だ」
現在のF1で最強を誇るメルセデスAMGだが、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグという二枚看板が存在しており、ヴェアラインが割って入る余地はない。
それゆえ、メルセデスが来季からエンジン供給を開始するマノー・マルシャとの関係を強化し、そこでヴェアラインのF1キャリアをスタートさせたいと考えるのは当然だとも言えるだろう。
■今後はBチーム増加で実力派の若手にチャンス到来か
しかも、現在のレッドブルとトロロッソの関係に近い形で、来季からはフェラーリとハースF1が手を組むことになっており、メルセデスAMGとしてもいわゆる“Bチーム”としての役割を担ってくれるチームとして、マノー・マルシャを利用していきたいとの思惑もあるはずだ。
そうした推測に関する質問を受けたヴェアライン本人は次のように答えた。
「どういう形にするかはトトが決めることになる。もし彼が僕をF1で走らせる方法があると言うのなら、僕はよろこんでそれに従うよ」
「もちろん、ベストなのはメルセデスAMGでF1デビューすることだろう。だけど、そういうチャンスはないだろうね。そうであれば、別の方法がないか探さないとね」とヴェアラインは付け加えた。