来季のエンジンが決まっていないレッドブルの状況に、F1最高責任者のバーニー・エクレストンが懸念を示している。
レッドブルは、ルノーとのエンジン供給契約を打ち切り、現在はフェラーリと交渉している。フェラーリ会長セルジオ・マルキオンネはエンジン供給に前向きだが、レッドブルの力を警戒するレースチームが反対していると伝えられている。
これに対し、レッドブルは、競争力のあるエンジンが手に入らなければ、姉妹チームのトロロッソ共々F1から撤退すると警告している。
■エクレストン「彼は本気だ」
昨年からF1撤退を示してきたレッドブルだが、現在の状況にはエクレストンも危機感を募らせているようだ。イギリスの『Times(タイムズ)』紙に次のように語っている。
「おそらく彼(レッドブル総帥ディートリッヒ・マテシッツ)は、すべてにうんざりしてしまったんだ」
「レッドブルがとどまるよう、私もできる限りのことをしている。しかし、早急に事態を収拾する必要がある。状況が改善しなければ撤退すると言っているが、彼は本気だ」
フェラーリは、2015年型のエンジンに改良を施してレッドブルに供給することを提案している。レッドブルはこれを拒んでいるが、エクレストンは妥協策を模索しているようだ。
「理想的ではないが、ミスター・マテシッツには我慢してもらうしかない。彼らの撤退は間違っても望んではいないからね」とエクレストンは話している。
■ラウダは楽観視
メルセデスエンジン供給の可能性については、メルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダが否定した。ラウダは、イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』に「あり得ない」と答えている。
「交渉はずっと前に終わっている。彼らはやり方を間違えた。それがメルセデスは気に入らず、もうドアは閉ざされた」
「マラネロ(フェラーリ本拠地)とやっていくしかないよ」
また、ラウダは、レッドブルが撤退することはないだろうとスイスの『Blick(ブリック)』紙に話している。
「彼らが本当に撤退するなど、誰も本気にしてはいないが、実際にそうなったらF1にとって非常に大きな損失だ」
「だが、来シーズン開幕戦のオーストラリアでは、もう誰もその話はしていないだろう」