F1第14戦日本GPをポールポジションからスタートしながら2位に終わり、ますますタイトルから遠のいたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)。僚友ルイス・ハミルトンとの関係が再び緊張状態になっている。
2015年シーズンも残り5戦、二人の点差は前戦シンガポールの41から48ポイントに広がった。ロズベルグは次のように話している。「まずい方向に行っているのは確かだね」
「勝たなければならなかった。大事なレースだったのに、うまく行かなかった。次(ロシアGP)はがんばって優勝しないと」
しかし、ロズベルグがソチ、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アブダビの残り計5戦をすべて制してもハミルトンが2位でフィニッシュすれば、彼のヒーローであるアイルトン・セナと並ぶ3度目のF1王者となる。
それにしても、いったい鈴鹿でロズベルグに何が?
27日(日)のレース当日、頭痛で万全の体調でなかったことをドイツ『Bild(ビルト)』紙が指摘するとロズベルグは次のように答えた。「それは違う」
しかし、彼のスタートはお世辞にもよかったと言えないものだ。しかも第1コーナーでハミルトンと接触寸前となり、後方に追いやられている。
そんなハミルトンの戦術にロズベルグは不満だ。
「実に近かった。衝突すると思って僕の方から避けたんだ」「(これ以上)コメントするのは難しいな」
チームを仕切るトト・ヴォルフはドイツのテレビ局『RTL』で、自分の意見を述べる前に両ドライバーと話をするほか、当時の映像を確認するとしたうえで次のように語った。
「2台が隣り合って第2コーナーに飛び込んでも、いいことはない」
衝突を避けるためにロズベルグはコースアウト。しかしチーム会長のニキ・ラウダはハミルトンの責任を問おうとしない。
「イン側のラインを通るときは、あれが当たり前の、アグレッシブなマシン操作にすぎない」とラウダはオーストリア『ORF』に話す。
「ニコ(ロズベルグ)の立場なら、ルイス(ハミルトン)はもっとスペースを譲るべきだと言うだろう。だが、いいスタートを切ったのはルイスの方だ。彼がインについたのは理の当然と言わねばならない」
「ルイスが完ぺきなパフォーマンスでレースを完全にコントロールしたのは間違いない。ケチのつけようが無い」
「それでも、あの2人なら互いの主張を述べ合うだろうな」とラウダは付け加えた。
ラウダと異なる意見の者もいる。スイスの元F1ドライバーでドイツ語系のF1テレビ解説者マルク・スレールだ。「衝突を回避せざるを得ない状況でロズベルグがレーシングラインを通れなくなったのは、問題だ」
ハミルトンのドライビングについてスレールは、次のようにコメントした。「チームメートを相手にあんな真似をすべきではない」