26日(土)、レッドブルのチーム首脳たちは鈴鹿サーキットでフェラーリと会談を重ねていた。
ただの話し合いではない。その行方次第では、11月の最終戦アブダビGPをもってトロロッソもろとも2チームが一気にF1から姿を消してしまう。
メルセデスの望みを絶たれたレッドブルにとって、他に競争力のあるサプライヤーはフェラーリだけだ。彼らに求めるのは、『Aスペック』ワークス仕様パワーユニットの供給契約である。
会談のひとつに出席したレッドブルのヘルムート・マルコ博士はドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌に、次のように話した。「われわれは待っている。2016年に強力なエンジンが手に入る一枚の契約書をね」
「さもなければF1は4台のマシンを失う」
契約交渉を首尾よく進めるために『菓子折り』も用意したレッドブル。なんと、日本GPでタイトルレース首位のメルセデスAMGを追うフェラーリをアシストするかもしれないのだ。
「もしまた(セバスチャン)ベッテルがトップに立ってメルセデスAMGが冴えないときは、われわれが両チームのあいだに割り込んでやる。たとえ数ポイントでもセバスチャンが差を縮められるのなら」
だが仮にレッドブルがF1を撤退したら、今をときめくダニエル・リカルドや驚異の十代マックス・フェルスタッペンといったドライバーたちもいなくなる。
しかしフェルスタッペンは、現在のF1でもっともホットなドライバーだ。父ヨスは、もし息子のマックスがシートを失っても他チームが放っておかないと次のようにオランダ『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙に話す。
「マックスは来年、F1で走るよ。100パーセント間違いない」