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フェラーリとベッテルは危険な存在だとニキ・ラウダ

2015年09月24日(木)20:15 pm

今週末のF1日本GP(27日決勝)を迎えるにあたり、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、1週間前のシンガポールでチームのパフォーマンスが突然低下したことで心配を抱えていると認めた。

【結果】F1シンガポールGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

これまでどのグランプリ、どのサーキットでも圧倒的な強さを誇っていたメルセデスAMGだが、先週末のシンガポールでは突然失速。フェラーリはおろかレッドブルにも置いていかれるという誰もが驚く結果となっていた。

■メルセデスAMG失速の原因は?

このメルセデスAMGの突然のスランプに関しては、そのはっきりとした原因はまだつかめていないと伝えられている。クルマそのものがシンガポールGPが行われたマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットに向く設計にはなっていないという説明が行われているが、それなら似たような特性を持つモナコやハンガリーでもポールポジションを取るのに苦労したはずだ。ハンガリーGP決勝ではスタートで出遅れ、レース中にも接触などがあったことで表彰台を逃していたメルセデスAMGだが、前戦シンガポールのようなパフォーマンス不足という印象は全くなかった。

F1関係者も今回の不可思議なメルセデスAMG失速に関していろいろな仮設を論じており、中には陰謀説のようなものまでささやかれている始末だ。

シンガポールの前に行われた第12戦イタリアGPでは、優勝を飾ったルイス・ハミルトンのタイヤ空気圧が規定よりも低かったとして、失格処分となる可能性もあったことは記憶に新しいが、シンガポールではF1タイヤサプライヤーのピレリが設定したこれまでよりも高めの空気圧がメルセデスAMGのパフォーマンス低下の主たる原因だったのではないかという説もある。

つまり、これまでメルセデスAMGでは意図的にピレリの推奨値よりも低い空気圧設定とすることで高いパフォーマンスを発揮できていたのではないかというのだ。そして、シンガポールではそうした裏ワザが使えなかったことがパフォーマンス低下に結びついた原因ではないかというわけだ。

だが、かつて3度F1チャンピオンとなった伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。

「いや、我々はこれまで常にピレリとFIA(国際自動車連盟)が指示した空気圧を使っているよ。みんなと同じようにね」

さらに、メルセデスがパフォーマンス改善を行った新スペックのパワーユニットがあまりに大きなトルクを発生することから、そのせいでタイヤが早く摩耗してしまう状態となっているのではないかとの説に対して、ラウダは次のように主張した。

「いや、そんなことはないよ。本当さ」

■ベッテルに対して油断はできないとラウダ

メルセデス失速の原因は何であれ、ランキングトップのハミルトンがリタイアで終わったことにより、優勝を飾ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とのポイント差は6レースを残す時点で49ポイントに縮まったのは事実だ。

今後のF1チャンピオン争いに不安を感じるかと質問されたラウダは次のように答えた。

「理論的にはノーだ。我々はフェラーリに対してアドバンテージを持っているからね。49ポイント差というのはかなりの差だよ」

「だが、安心するにはまだ早い。タイトル争いはこれからも続いていくし、すべてに対して慎重でいなくてはならない」

そう述べたラウダは、次のように付け加えた。

「だが、ベッテルは我々の目を覚まさせてくれたよ。あいつは危険なやつだとね。そして、フェラーリもかつて我々みんなが知っていたようなチームとして復活してきた」

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