マクラーレンでは、エンジンパートナーであるホンダにとってのホームレースとなるF1日本GP(27日決勝)に向け、“危機対策のための話し合い”を行っていると報じられている。
今週、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、鈴鹿サーキットからほぼ500km離れた栃木県さくら市にあるホンダのF1エンジン開発拠点を訪れていた。
もちろん、それはただの表敬訪問ではなく、どうやって今後現在の苦境から脱していくかということに関して、さまざまな意見が交換されたものと考えられている。
■エンジン開発凍結ルール撤廃を望むマクラーレン・ホンダ
『Telegraph(テレグラフ)』のダニエル・ジョンソン記者は、マクラーレン・グループの総帥であるロン・デニスが、最近行われたF1の意思決定機関“ストラテジー・グループ”の会合において、現在のようなエンジン開発制限が継続されれば、ホンダがまたF1から撤退することにもつながりかねないと警鐘を鳴らしたようだと書いている。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンも、現在のエンジンルールに対して真っ向から反対しているのはよく知られるところだ。そのエクレストンは『Forbes(フォーブス)』に次のように語っている。
「それによってほかのメーカーの参入も妨げているよ。100%間違いない」
「ホンダが参入し、大活躍を見せていたとしたら、ほかの者たちも“彼らにできるのなら、我々にもできるはずだ”と言っていたと思うよ。今は、違う方向に進んでしまっている。みんなは“彼らがうまくやれていないのに、我々にチャンスがあるだろうか?”と言うしかないだろう」
■マクラーレンが抱える収入激減という大問題
ホンダとの会合において、両陣営の首脳部が話し合いを行うもうひとつのテーマが、2016年に向けた収益状況のことだと考えられている。
マクラーレンでは、今季の成績不振により、手にすることができるF1公式賞金が大幅に減少することに加え、重要なスポンサーを失ってしまうことになりそうだとも報じられている。
だが、ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』は、先週末のシンガポールGPにおいてマクラーレンが中国のスポンサー候補企業と話し合いを行っていたようだと書いている。
比較的現在のパッケージに合うとして期待されていたシンガポールのマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで2台ともにリタイアという最悪の結果に終わっていたマクラーレン・ホンダ。今週末の鈴鹿サーキットは相性的にはあまりよいサーキットだとは考えられていないが、ホンダのおひざ元でもあるだけに、なんとかいい結果を残したいところだ。