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メルセデス、モンツァで2016年仕様エンジンを試す

2015年09月06日(日)6:43 am

フォース・インディア、ロータス、ウィリアムズのメルセデス系3チームは、今週末のF1第12戦イタリアGPでメルセデスAMGが使用している最新スペックのパワーユニットを与えられていない。

レースに先がけてメルセデスは、手持ちの開発「トークン」7枚を一気に使い、イタリアのマスコミが言うところの「スーパー・モーター」を登場させた。

案の定、4日(金)の初日からフェラーリを始めとする他チームとの差は明らかで、レッドブルのヘルムート・マルコ博士は、こんなことを話していた。「土曜日になったら、いったいどれだけ出力を上げてくることか」

メルセデスAMGはすでに2016年を視野に予定を立てていて、新エンジンは実験的な意味合いを持つ。

「来年の方向性を見極めたい」とドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』に話すのは、同チームを運営するトト・ヴォルフだ。

「シーズン中のテストは終わってしまった。だとすれば実戦でテストを行うしかない。というわけでモンツァは、われわれの開発プログラムの一部に組み込まれているのだ」

ひとつ懸念があるとすれば、新仕様のエンジンには鉄壁の耐久性が備わっていない。

「トラブルがまったくない週末は想定できない」とヴォルフは打ち明ける。「信頼性の問題は出るだろう。だが、どこかの時点でテストに踏み切らなければならないのだ」

フォース・インディア、ロータス、そしてウィリアムズを道連れにはできない。従って彼らには新スペックが与えられない。

「われわれの顧客(前記3チーム)には、なるべく早く新開発のエンジンを渡す」とヴォルフはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に語る。

メルセデスが着々とエンジン開発を進める中、ルノーとホンダは悪戦苦闘が続く。

FIA(国際自動車連盟)によってエンジン交換に伴うレース中のペナルティに制限が設けられたため、競技規則に思わぬ抜け穴が生じた。両メーカーはそこを利用して何とかエンジンをやり繰りしている。

マクラーレン・ホンダは第11戦ベルギーGPでエンジン交換を2回敢行。レッドブルもトロロッソもイタリアGPでは、その例に倣っていると見られる。

何回エンジン交換を行なっても最大のペナルティは最後尾グリッド降格。その点を逆手に取る意味合いについてマクラーレンのエリック・ブーリエは、F1公式ウェブサイトに次のように語る。「スパやモンツァのようなコースでは、手札からそうした『ジョーカー』を出す以外にない。競争に加われそうなレースが数戦あるのは、われわれも分かっている。それらをペナルティから『守る』ことが必要だ」

しかし、この新たな抜け穴は予選をただの『茶番』に変えるだけとする意見もある。コース上でどのようなタイムを出しても、決勝スタートはグリッド後方に追いやられるのだ。

「いったい誰がどのグリッドからレースをスタートするのか、それがはっきりするのは予選からかなり時間が立ってからだ。なんだか予選がバカバカしくなってくる」と言うのは、ドイツ『Bild(ビルト)』紙のヘルムート・ウール記者だ。

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