F1 CEOバーニー・エクレストンの言葉を借りれば、F1イタリアGPは首の皮一枚でつながっている状態だ。
イタリアのマスコミは、改めてレース主催者と会って話したもののF1伝統の一戦は、はかばかしくない状況だとするエクレストンの話を伝えた。これはまさに警告だ。
「契約の更新はなさそうだ」とエクレストン。「彼ら(主催者)が金を出し渋っている」
パドックのF1関係者は、歴史的なサーキットがまたひとつカレンダーから消えるのは忍びないとして祈りに似た気持ちで経過を見守っている。
「F1の損失は大きいかって?当たり前だ」と話すエクレストン。「しかしだ、われわれが求める金額を払ってくれてもいいだろう」
それでも、モンツァのないF1を想像できるかとの質問にエクレストンは、動じる姿勢を見せない。彼はアメリカ『New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』紙にこう語る。「われわれはドイツGPを失くした。フランスGPもない」
一方で、モンツァの立場を代表するふたりは、「どうかパニックにならないで」と呼びかけている。
そのうちのひとりでレースプロモーター、Siasのアンドレア・デロルト会長はモンツァで、イタリア『Sky(スカイ)』に次のようにコメントした。「私の立場で言わせてもらうと、エクレストンとの会談は前向きだった」
「もちろん、交渉はわれわれに不利なところから始った。彼が出す要求との隔たりを埋めるには第三者の介入が必要だからだ。政府、あるいはその他の機関(による援助)が不可欠だろう」
「しかし、危機的な状況でもなければ、緊急性もない」とするデロルト。「交渉ごとである以上、何度も会って話をするのは当たり前だ」
もうひとり自信ありげな人物、それは、長年フェラーリ会長を務めた超大物でエクレストンと懇意の仲のルカ・ディ・モンテゼモーロだ。
「二日前にエクレストンと話をした」「いつの時も、フェラーリとモンツァならびにティフォッシは近い間柄だ。モンツァ抜きのF1などあってはならない」
「とはいえ」とモンテゼモーロ。「モンツァも、やらなければいけないことはやるとの認識を持つべきだ。とにかく問題にはならないだろう。いずれ分かる」