早ければ来季にも、レッドブル・メルセデスという組み合わせが実現するかもしれない。
2010年から2013年までF1タイトルを独占してきたレッドブルと、現在ワークスチームのメルセデスAMGが圧倒的な強さを見せているメルセデスは、いわばお互いに天敵のような存在であり、少し前までこの両者が手を組むことなど不可能なことだと受け止められていた。
だが、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフは、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。
■レッドブルへのエンジン供給はF1にとってプラス
「長期的に考えるのであれば、我々は単に問題を検討することから目を背けるより、そうすることにおけるプラス面とマイナス面について話し合いを行うべきだよ」
ヴォルフはさらに、『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』に対しても、「我々は、純粋なエゴイスムとF1の幸福との間のバランスを探る必要があるんだ」と主張している。
さらに、レッドブルと現在のエンジンパートナーであるルノーとの関係はすでに冷え切っていると言われており、F1最高責任者のバーニー・エクレストンですら、公然とルノーがロータスを買収してくれることを望んでいると認める発言をしている。
■メルセデスの取締役会がレッドブルへの供給にゴーサイン
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、仮にルノーがロータスを買い戻して自らのワークスチームを立ち上げるようなことになれば、当然レッドブルがルノーからワークスエンジンの供給を受けることはできなくなる。このため、両者が締結している2016年までのエンジン供給契約も取り消されることになるだろうと指摘している。
だが、ヴォルフは、自ら政治的な動きを行ってルノーとレッドブルの問題に介入するつもりはないと次のように主張。
「我々はその(ルノーとレッドブルの)合意を尊重している。それゆえ、レッドブルと我々の間では交渉は行われていない」
だが、最新の情報によれば、シュトゥットガルトにあるメルセデス本社での取締役会において、レッドブルへエンジンを供給することについてゴーサインが出されたという。
■レッドブル首脳も前向きな発言
さらに、レッドブルの首脳部の一角であるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も次のようなコメントを発している。
「F1ではもはやエンジンは使われていない。今ではパワーユニットであり、非常に複雑なものだが、その中ではメルセデスが最高だ」
マルコも、レッドブルとメルセデスがうまく共働関係を築いていくことは可能だと思うと次のように続けた。
「確かに、彼らは我々を強いライバルにするための手助けをすることになる。だが、結局のところ、レッドブルとともに勝利するのはメルセデス(エンジン)なのだ」
「それに、彼らが我々に勝てば、その勝利はさらに大きな意味を持つものとなるだろう。そして、F1も再びわくわくするようなものになるだろうね」とマルコは付け加えた。