今季もメルセデスAMGが圧倒的な強さを誇っているのは間違いない。だが、来週末のF1ベルギーGP(23日決勝)からスタートするシーズン後半に向けて、メルセデスAMGが不安を抱えているのも事実だ。
第9戦イギリスGP、そして夏休みに入る直前に行われた第10戦ハンガリーGPでは連続でスタートに失敗していたメルセデスAMG。しかもハンガリーでは、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に今季2勝目を許すとともに、昨年以降初めて2台ともに表彰台を逃すという結果に終わっている。
そして、ベルギーGPからは、レースのスタート時にドライバーに対して技術的な助言を行うことが禁止されることになっている。これは、メルセデスAMGにとっては大きなプレッシャーとなりそうだ。
■スタートに関するルール変更には対応できる
だが、このルール変更が不利に働くのではないかと質問されたメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように答えている。
「いや、我々のチームはレギュレーションの変更にも素早く対応できるからね」
「全体的には、私は今回の決定には賛成なんだ。スタートをドライバーの力量に委ねるべきだという意味でね」
だが、ヴォルフも、フェラーリが背後から迫ってきているプレッシャーは感じていると次のように続けた。
「今年、我々がタイトルを失う可能性は低いと思っている。だが、そうなる可能性が全くないとは考えていないし、地に足をつけて頑張り続けなければならないと思っているよ」
■遅くともイタリアGPでは改良エンジンを投入
ヴォルフは、そのためには、シーズン中のエンジン開発に向けて「トークン」(開発引換券のようなもの)を使うことも考えていくことになると次のように語った。
「来週には決定することになるだろう。ベンチテストの結果や、信頼性について検討した上でね」
13日(木)にそう語ったヴォルフは、改良エンジンの投入時期について、次のように付け加えた。
「もしベルギーで使わなければ、そのときはモンツァ(第12戦イタリアGP/9月6日決勝)になるだろうね」