フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』が、マクラーレンのジェンソン・バトンと、今季やはりマクラーレンのテストドライバーを務めるストッフェル・ファンドールネが2016年に向けて同じシートを争うことになるかもしれないと伝えている。
■バトンが関係するマネジメント会社と決別したファンドールネ
現在、今季のGP2シリーズのポイントリーダーであるファンドールネだが、最近これまでマネジメントを委託していたスポーツ・パートナーシップとの契約を解除したことが明らかとなっていた。このマネジメント会社はリチャード・ゴッダードとバトンが共同運営する会社だ。
ベルギー出身のファンドールネは、オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に対し、今回のマネジメント契約解除は「自分自身で判断」したもので、「今の状況のほうがよくなったように感じている」と主張。
「あまり詳しい話はしたくないんだ」と語った23歳のファンドールネは、次のように続けた。
「こういうことが起こるのは全然珍しいことじゃないよ」
「ほかにもマネジメント会社を変えるドライバーは少なくないしね」
ファンドールネは、今後のことについてはまだ決めていないと付け加えたものの、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスのマネジメントにかかわっていることでも知られるベルギー出身のディディエ・コトンと手を結ぶのではないかと言われている。
さらに興味深いことには、今回のファンドールネのマネジメント変更はボッタスにも無関係ではなさそうだ。
■バトンとファンドールネがライバルに?
現在マクラーレンのドライバーを務める35歳のバトンだが、来季のシートが保障されているわけではない。そして、バトンのシートを奪うドライバー候補として、控えドライバーのケビン・マグヌッセン、そしてファンドールネの名前がささやかれている。
だが、バトンとファンドールネは同じマクラーレンのシートを争うとともに、ほかにも同じシート獲得を視野に入れているのではないかとのうわさも出てきているのだ。
そのチームとは、ウィリアムズだ。
現在、フェラーリではキミ・ライコネンに代えて来季はボッタスを獲得するのではないかとのうわさが強くささやかれている。仮にそうなった場合には、ウィリアムズではボッタスに代わるドライバーを探す必要がある。バトン、そしてファンドールネはそのチャンスを狙おうとしているというわけだ。
■ニコ・ヒュルケンベルグの動きも重要な要素に
『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』では、やはりライコネンの後任候補にも挙げられているフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグが、かつてF1デビューを飾ったウィリアムズに復帰する可能性もあると指摘している。
2010年にウィリアムズからF1デビューを飾ったヒュルケンベルグだが、わずか1年でそのシートを失っていた。だが、ヒュルケンベルグは最近、ウィリアムズのことを恨んでなどはいないと語るとともに、そのときに最終決定したのは「ほかの人物だった」と指摘していた。
ヒュルケンベルグが言及した「ほかの人物」とは、2012年3月に突然ウィリアムズを離脱した元チーム会長のアダム・パーのことだろう。当時財政的に困難な時期にあったウィリアムズは、ヒュルケンベルグに代えて潤沢なスポンサー資金を持ち込むことができるパストール・マルドナードと契約を結んだが、それを決定したのはパーだったと伝えられている。
だが、今年のル・マン24時間レースで優勝を飾り、一躍評価を高めることとなったヒュルケンベルグには、2016年から実質的なフェラーリのBチームとして新規にF1に参入するハースF1への移籍もうわさに上っている。そうなれば、仮に来季すぐにフェラーリのシートを獲得できなかったとしても、赤いドライビングスーツを身にまとうチャンスにはさらに一歩近づくことになるだろう。
■具体的進展は9月中旬以降?
こうした背景のもと、ファンドールネばかりでなく、バトンもウィリアムズの動向を注意深く見守っているという状況のようだ。だが、いずれにしてもバトンの契約に関してはチーム側に来季の契約を延長するオプションがあり、その行使期限は9月15日だと考えられている。それまでは、具体的な進展は見られないだろうというのが大方の見方のようだ。
ファンドールネも『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。
「今はまだ来年のことなど何も分からないよ。あと数週間、あるいは2か月ほどもすれば、見えてくるんじゃないかな」