F1第9戦イギリスGPで、ウィリアムズはバルテリ・ボッタスをチームメートのフェリペ・マッサの前に出すべきだった。それが、かつて2度F1チャンピオンに輝いたミカ・ハッキネンの考えだ。
イギリスGPでは、ウィリアムズの2台がスタートでメルセデスAMGを抜き去ってトップに躍り出たが、マッサに続く2番手だったボッタスは、自分のほうがペースが良いと訴えていた。
「バルテリは明らかにフェリペよりいいペースだった」とハッキネンは自身のスポンサーである『Hermes(ヘルメス)』のインタビューで語っている。
マッサは、「そんなに速いなら僕を抜けたはずだ」と反論している。これに対し、ハッキネンは次のように説明する。
「同じパワーの同じクルマで走っている場合、追い抜くのは本当に難しいことだ」
「バルテリのペースにチームが即座に対応したほうが理にかなっていた。こう考えるのは私だけではないはずだ」
■マッサを評価するハッキネン
ハッキネンはボッタスのマネジメントにかかわっている。ボッタスは、キミ・ライコネンの後任としてフェラーリに移籍するとうわさされているが、2年前にフェラーリを放出されたマッサに後れを取ることもあるとして、フェラーリ移籍に疑問を呈する者もいる。
「確かに、チームメートに負けていてはだめだ」とハッキネン。
「けれど、フェリペのドライバーとしてのレベルも考慮する必要がある。彼は経験豊富だ。フェラーリで8シーズンを過ごし、2008年にはあと数秒でチャンピオンになれるところだった」
「彼は今も非常に速いよ」
■イギリスGPのタイヤ選択は「運」
一方、やはり同じフィンランド出身のライコネンの将来については、政治的にさまざまな要素が絡んでいるとハッキネンは話している。
ライコネンはイギリスGPで、雨が降り始めるまではチームメートのセバスチャン・ベッテルに先行していたが、雨用タイヤへ切り替えるタイミングを誤り、8位に終わった。
「シルバーストンでの出来事で、彼の置かれている状況が楽にならなかったのは間違いない」とハッキネン。
だが、コンディションが変化する中での判断は「運」によるところが大きいというのがハッキネンの考えだ。
「タイヤ交換に最適な瞬間がいつなのか、純粋に理性だけで判断できる者は誰もいない」
「言うまでもなく、ルイス(ハミルトン/メルセデスAMG)は見事に成功した。キミの場合はその正反対だったんだ」