先週末、今季のF1第9戦イギリスGPを終えたF1だが、次戦ハンガリーGP(26日決勝)までは3週間の間隔が空くことになっている。
これは当初から予定されていたことではなく、本来は19日(日)に決勝開催が予定されていたニュルブルクリンクでのドイツGPがキャンセルされたことによるものだ。
今年ドイツGPがキャンセルされた直接的な原因は、昨年経営破たんに陥ったニュルブルクリンク側の財政事情によるものだ。だが、ドイツでは近年観客やテレビ視聴者数が激減するという状況を迎えていたのも事実だ。
F1でも、こうした流れを受け、より魅力的なシリーズへと改革すべく、さまざまなルール変更などについての検討が始められている。
■ドイツでのF1視聴者数に復調現象
ところが、突然ドイツでのF1人気復調の兆しが見えてきた。
先週末、ドイツのテレビ局『RTL』が放送したイギリスGP中継の視聴者数が533万人に達したことが明らかとなった。この数字は昨年と比べるとほぼ50万人が増加したことになる。
さらに、ドイツのメディアが報じたところによれば、最近のカナダGP(第7戦)やオーストリアGP(第8戦)の視聴者数も昨年よりも増加していたという。
ドイツ国籍のニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、『Bild(ビルト)』の最新のコラムの中で「批判も多いものの、僕はF1がまだ世界のモータースポーツの中では最高だし、一番関心の高いものだと思っているよ」と主張している。
■メルセデスAMGに対する批判はお門違いだとラウダ
ところで、ここ1、2年におけるF1人気低下要因のひとつに、メルセデスAMGがあまりに強すぎるということがあげられると指摘する者も多い。
だが、かつて3度F1タイトルを獲得した元F1ドライバーであり、現在はメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、メルセデスAMGに対してF1を「退屈」なものにしてしまったと批判するのはもう止めるべきだと次のように語った。
「これ以上そういうばかげた議論は聞きたくないよ。ほかのチームは、文句を言うのではなく、もっと自分たちのクルマを速くすればいいんだ」
そう語ったラウダは、次のように付け加えた。
「フェラーリの連中が、サーキットで自分たちのクルマを改善しもせずにスパゲティをばらまいているのがメルセデスAMGの過ちだとでも言うのかね?」