NEXT...F1開催スケジュール

【ホンダF1】シーズン後半には必ず結果を出す

2015年07月08日(水)20:11 pm

ホンダF1プロジェクト総責任者の新井康久が、ブラジル紙のインタビューに答え、シーズン後半からの活躍を約束するとともに、パートナーであるマクラーレンから強いプレッシャーがかけられているようなことはないと主張した。

【F1世界選手権ポイントランキング】

大きな期待が寄せられたマクラーレンとホンダのコラボレーションだが、今シーズンもすでに中間点を迎えようとしているものの、いまだに泥沼から抜け出せないような状態だ。

■次第に大きくなるマクラーレンの不満

シーズン当初は前向きな発言に終始していたマクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)も、さすがに最近はイライラが募ってきていることは誰の目にも明らかだ。

ブーリエは、F1イギリスGP(第9戦)が開催された先週末のシルバーストンで、新井について言及しながら次のように語っていた。

「私は彼(新井)に1日に2回、時差ぼけのときは3回も伝えているよ。できる限りすぐに成功させる必要があるんだってね」

■プロジェクトへの取り組み姿勢の違いも障害に

マクラーレンの不満が募ってきている影には、ホンダとマクラーレンの共同プロジェクトへの取り組み姿勢が非常に違うということもあるようだ。

例えば、マクラーレンがすぐにでも結果を出す必要があると考えているのに対し、ホンダは5か年計画のもとで少しずつ問題を解決できればそれで満足だというふうに考えているように見えるということがあるようだ。

それゆえ、マクラーレンからは結果をすぐに出すために外部からエンジン技術者を雇い入れるよう求められても、ホンダはかたくなにそれを拒んでいると伝えられている。ホンダとしては、すぐに結果を求めることよりも、そのプロジェクトを通じて人材を育成することに重きを置いているからだ。

■両者の信頼関係は変わらないとホンダ

だが、今回ブラジルの『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』のインタビューを受けた新井康久は、マクラーレンとホンダの関係が悪化しているようなことはないと主張した。

「我々は80年代にともに大きな成功を収めています。お互いに信頼し合っているんです」

「もちろん、改善しなくてはならないというプレッシャーはあります。しかし、我々はすべてのことについて一緒に話し合いながら行っています。時には、我々が示した解決策とは違う解決策が提案されることもあります。しかし、それはこうしたタイプの関係にあっては普通のことなんです」

うわさでは、マクラーレン側にホンダに対する不満が募ってきている原因のひとつに、マクラーレンがホンダに自分たちマクラーレン・グループのすべての人材や資源を利用するように申し出たのに対し、ホンダが抵抗していることがあると言われている。

だが、新井はそれに関して次のように答えた。

「私たちはすでにプロジェクトを開始するときからマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ(マクラーレンの自動車関係電子技術会社)と仕事をしています。我々の要求に基づいて、彼らが我々のパワーユニットのためのソフトウエアを開発したんです。彼らは素晴らしい仕事をしてくれましたよ」

■自分たちでやり遂げることに意味がある

しかし、今後そうした協力関係の範囲がさらに拡大される可能性はあるのかと質問された新井は、次のように主張した。

「我々は、技術的問題に関する支援は必要とはしていません」

「もちろん、いいアドバイスは大歓迎です。しかし、我々のプロジェクトに対する(外部からの)技術的解決策は必要とはしていないのです」

しかし、『Globo(グローボ)』のリビオ・オリッキオ記者は、新井とマクラーレン・グループ総帥であるロン・デニスの関係は厳しさを増しており、デニスは新井の更迭を求めていると書いている。

■シーズン後半からは必ず結果を出すと新井

だが、新井自身は、自分が感じているプレッシャーの多くは「ホンダの取締役会」や「日本のメディア」からのものだと主張し、次のように続けた。

「ほかの責任者が来たとしても結果が変わるとは思えません。ホンダやマクラーレンの首脳陣はいずれも私に信頼を置いてくれています」

「責任者であれば誰であれ、どうやって改善すべきかを考えます。そしてそれは私も同じです。毎日そのことを考えています。これは非常に大きな挑戦ですからね」

いつになったらホンダがこの苦境から抜け出し、十分なパフォーマンスを発揮することができるのか、と質問された新井は次のように答えた。

「もうすぐです。約束しますよ」

「シーズン後半にはそうなるでしょう。スパ・フランコルシャン(第11戦ベルギーGP/8月23日決勝)からそうできればと思っています」

■あとはファンの期待に応えるだけ

「我々は開発を行っていくためのいい基盤づくりができたと言えると思います。それは我々の計画に沿ったものですし、一歩ずつ前進しています。目標は達成できているんです」

そう語った新井は、次のように続けた。

「そうですね、私も今の結果がファンの期待に沿うものではないことは分かっています。しかし、我々は自分たちがやっていることを分かっているんです。もう少し我々に時間をください」

「シーズン後半にはよくなりますよ。信じてください」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック