メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフが、同僚である非常勤会長のニキ・ラウダがフェラーリに対して行った暴言について陳謝したと伝えられている。
あまりに強すぎるメルセデスAMGが現在のF1を「退屈」なものにしているという批判的な意見に対し、現役時代には3度のF1タイトルのうち2回をフェラーリで獲得していたラウダが、次のようなコメントを行ったと報じられていた。
「フェラーリの連中が、自分たちのクルマを改善しもせずにサーキットでスパゲティをばらまいているのがメルセデスAMGの過ちだとでも言うのかね?」
そのラウダのコメントに対しては、F1ファンはもちろん、フェラーリからも苦情が寄せられたという。これを受け、ヴォルフが陳謝のコメントを出したものだ。
■フェラーリは最大のライバルとして尊敬しているとヴォルフ
「誰もがニキとフェラーリの特別な関係や、彼のF1に対する情熱については知っているはずだ」
「彼が時折非常に直接的な物言いをし、実際の意味よりも強い響きを持った口調で語ることがあるのはそのためなんだ」
『Bild(ビルト)』紙にそう述べたヴォルフは、次のように続けた。
「我々メルセデスにいる者たちは、誰に対しても不快にさせることを望んではいない。我々はフェラーリを尊敬しているし、コース上でワクワクするような戦いができることを楽しみにしている。我々はフェラーリのことを非常に真剣にライバル視しているし、自分たちのリードを守るために懸命な取り組みをする必要がある」
そう語ったヴォルフは、次のように締めくくっている。
「彼らがスパゲティを混ぜているだけではないという事実は、マレーシア(第2戦)ですでに明確になっていた」
■レッドブルにも感情的コメントをしていたラウダ
だが、ラウダが今週行ったコメントは、必ずしもフェラーリだけに向けられたものではなかった。
現在、ルノーが再び自らのF1チームを興してコンストラクターとしての参戦を計画しているとの報道が流れる中、メルセデスが直接的なライバルであるレッドブルにV6パワーユニットの供給を行う可能性があるのではないかとのうわさもささやかれている。
こうしたうわさに関して質問を受けたラウダは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように答えていた。
「我々は4チームへエンジン供給することしかできないし、すでに全チームと長期契約が結ばれている」
「それに、マテシッツ(レッドブル総帥のディートリッヒ・マテシッツ)は常にメルセデスに対して敵意を示してきたよ。その理由なんか知らないが、それが現実なんだ」