今年のF1第6戦モナコGP開催時に、F1ドライバーによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)が世界中のファンに対して意識調査を行っていた。だが、それがすぐにF1の改善へと役立てられる見込みはあまりなさそうだ。
F1の意思決定機関であるストラテジー・グループは、2016年、そして2017年に向けて現在のF1ルールをどう変えていくかということについて最近2回の会合を開いていた。
だが、そこでGPDAが収集した意識調査結果についての検討が行われることはなかったようだ。
ストラテジー・グループ会議のメンバーであるウィリアムズのクレア・ウィリアムズ副代表は、これに関して次のように語った。
「それ(調査結果報告)について話し合いを行うには、出てくるのが遅すぎました」
「当然ながら、私たちは2、3週間前に前もって議題を決定していました。ですから、私たちは会合においてそれらについて議論することはありませんでした。ですが、この会合はそうした種類の話し合いを行う場なんです」
現在GPDAの会長を務める元F1ドライバーのアレックス・ブルツも、最近の会議に間に合わせるには調査結果の提出が遅すぎたことを認めている。
だが、ブルツは194か国の20万人以上のファンから集められたデータは「非常に貴重なもの」だとドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に対して次のように語った。
「これ(ストラテジー・グループ)とは敵対関係にあるわけではないし、彼らも我々が掲げた議題に関しては非常に興味を示している。このデータを待っているチームからたくさんのメールを受け取っているよ」
「最近の会議のためには、調査結果を提出するのが少しばかり遅すぎたかもしれない。だが、出さないよりはずっとよかったはずだよ」
かつてベネトンやウィリアムズで活躍し、現在はトヨタからWEC(世界耐久選手権)に参戦を行っている41歳のブルツは、次のように締めくくった。
「僕は彼らに、こういうことは10年も前にやっておくべきだったと伝えたんだ。でも、基本的には、誰もがもっとF1をよくしたいという気持ちで一致しているよ」