アストンマーチンが、最近報じられたF1参戦のうわさを否定した。
先週末にF1イギリスGPが開催されたシルバーストン・サーキットには、アストンマーチンの最高経営責任者であるアンディ・パーマーの姿があった。パーマーは、決勝レースに向けた準備が行われていたグリッド上で、FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長や、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンと会話をかわしていた。
これと時をほぼ同じくして、アストンマーチンが2016年からレッドブルと手を組むのではないかとのうわさがささやかれ始めていた。ルノーエンジンで苦戦を強いられているレッドブルが、アストンマーチンブランドのもとにメルセデスエンジンを搭載することになるのではないかというものだ。
しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、アストンマーチンとの「交渉」が行われたのは事実だと認めたものの、「レッドブル・テクノロジーズという会社もあるんだ」と主張している。
レッドブル・テクノロジーは、天才F1カー設計者と称されるエイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)が市販車の設計に携わることになる会社名であり、レッドブルとアストンマーチンはすでに協業を開始しているとも伝えられている。
だが、パーマーは、今後アストンマーチンとF1チームの間で「交渉」が行われたというような記事が増えることはないだろうと次のように語った。
「私がここ(アストンマーチン)に来てから今に至る9か月の間に、ほとんどのF1チームがさまざまな形で私に接触してきていたと思う」
事実、パーマーがイギリスGPのパドックに入場する際に使用していたパスは、フォース・インディアに対して発行されていたものだったことも明らかとなっている。
一方、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「我々は、インフィニティとの間に契約があるし、果たすべき義務もある。実際、彼らとは素晴らしい関係を保っているよ」
現在ルノーからワークスエンジンの供給を受けているレッドブルだが、そのブランド名がインフィニティとされていることは周知のとおりだ。
「これまでにも言ってきたが、そうした交渉に関する報道は単なるうわさに過ぎないよ」とホーナーは付け加えた。
そして、昨年まで日産に所属し、インフィニティ事業の責任者でもあったパーマーも、アストンマーチンにはF1に参戦するような余裕はないと次のように語った。
「我々の会社にはF1に参戦し、そこできちんとした仕事をすることを可能とするほどの金はないよ」
「私に言えるのは、そういうことは起こらないだろうということだ。決してないとまで言うことはできないが、可能性はないだろうね」