ウィリアムズのバルテリ・ボッタスは、チームオーダーが出たことに「落胆した」と語っている。
F1第9戦イギリスGPで、ウィリアムズのフェリペ・マッサとボッタスはスタートでメルセデスAMGの2台を抜き去り、一気にトップに躍り出た。
2番手に付けていたボッタスは、トップを走るマッサより自分のほうが速いと無線で訴えたが、チームからバトルをしてペースを落とすなと指示された。
のちに、追い抜きを仕掛けても良いという返事がチームからきたが、ボッタスは「もう遅い」と答えていた。
■「チャンスがあったときに抜ければ」とボッタス
レース後にボッタスはフィンランドのテレビ局『MTV3』に対し、こう語っている。
「最初はペースが良かったんだ。ある時点では(マッサを)追い抜くこともできたと思う。でも、やるなとチームから指示された」
だがボッタスは、順位を譲るようマッサに対してチームオーダーを出してほしかったわけではないと『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に話している。
「そんなのはレースじゃない」とボッタス。
「ただ、チャンスがあったときに彼を追い抜ければ良かったんだけど」
ウィリアムズの最高技術責任者パット・シモンズは、「互いを遅くし合うことのないようにした」と説明しており、ボッタスもそれには理解を示している。
「あの場面で僕たちのバトルをチームが避けたかった理由は理解できる。僕たちはいい位置に付けていて、バトルをすればタイムをロスした可能性もあるからね。チームはそう考えたんだ」
「僕は落胆した。でももちろん、あとから言うのは簡単だ」
■「あとから言うのは簡単」
ウィリアムズの副チーム代表クレア・ウィリアムズも同様の意見だ。
「あとでレースを振り返って、違うやり方もあったと言うのは簡単です」
「私たちは、チームにとって最善と考えることをしました」
「ピットウォールに座っているスタッフは、どうやってレースを台無しにしてやろうかと考えているわけではありませんから」
ボッタスを止めなかったらどうなっていたかと聞かれると、クレア・ウィリアムズはこう答えた。
「分かりません。ただ、メルセデスAMGが素晴らしいクルマであり、今のところわれわれより速いということは認めなければなりません」