レッドブルがルノーからメルセデスのパワーユニットに切り替えるとの過激な憶測に、4日(土)、各方面でさまざまな主張が展開された。
火ぶたを切ったのは、イギリスのある雑誌。アストンマーチンのブランドを冠したメルセデス製エンジンが登場するかもしれないと報道したのだ。アストンマーチンはイギリスの高級車メーカーで、メルセデス・ベンツが株の5パーセントを握っている。
これに対してレッドブルのヘルムート・マルコ博士は同じく4日(土)、こう述べた。「レッドブルとルノーは2016年末までの契約を全うするつもりだ」
「アストンマーチンにまつわる話は、まったく別のプロジェクトに関するものだ。われわれはレッドブル・テクノロジーズという名の会社も持っている」とドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』に語ったマルコ。この他、エイドリアン・ニューイがレッドブル製の市販車を手がけるとのうわさもある。
これは、お決まりのF1うわさ話に過ぎないというマルコ。
「レッドブルリンク(F1第8戦オーストリアGP)では、フェラーリのエンジンがどうとか言われた。そして今度はメルセデスだ。次の(第10戦)ハンガリーでは何だ、ホンダか?」とマルコは皮肉っぽく言う。
一方でメルセデスのトト・ヴォルフは、やや違う口ぶりだ。
「アストンマーチンはすばらしいブランドだ」「それにダイムラー(メルセデス・ベンツの高級車部門)と業界内でパートナーシップを結んでいる。だが、それがF1に影響を及ぼすことはない」
「われわれはメルセデス・ベンツのブランドを高めるためにF1をやっている。雑誌が取り上げた情報は、われわれから得たものではない。それは間違いない」
同時に彼は、どんな可能性も排除しない。
「何かについて延々と語るのは危険だが、現状ではメルセデス・ベンツ製のレース用エンジンを積んでいる。そして商業的な理由からエンジンに他の名前を付けるなんてしない」
だが、現在レッドブルにエンジンを供給するルノーがロータスを買い戻したら、すべてが変わるかもしれない。ロータスは今、メルセデスのエンジンを使用しているのだ。
「それはそうだ」「もしそんなことになれば、われわれには余力が生じる。しかし、これから事態はどのように移り変わるか、それによって何がどう影響するかも分からない」とルノーのF1撤退をも示唆するヴォルフ。
「数カ月前に同じ質問をされたら、メルセデスがレッドブルに関わるなど端から否定しただろう。しかし今日現在、何の交渉も行われていない」
レッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナーもこのうわさにコメント。多くのゴシップが出回っているとしたうえで次のように語った。「基本的にわれわれはインフィニティ(日産の高級車ブランド)ならびにルノーとの契約を有している」
「それ以外はすべて憶測にすぎない」とホーナーは言う。
そしてヴォルフは、レッドブル・メルセデスにまつわる話はすべて「たわ言」だと一蹴するのだった。
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