ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のライフスタイルに先輩ドライバーから批判が出ている。
今年チャンピオン争いで終始トップを守ってきたハミルトンだが、この4戦で3回チームメートのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)に敗れた。
1996年のF1チャンピオンで、イギリスの『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』で解説を務めるデーモン・ヒルは、「彼のライフスタイルが心配だ」と話している。
「ボクシングの試合やファッションショーやコンサートに行っているが、そういった気楽なライフスタイルを少々犠牲にすべきじゃないかと思う」
「両方は手に入らない」
ドイツ『Sky(スカイ)』の解説者である元F1ドライバーのマルク・スレールも同じ意見だ。
「ハミルトンは速くなった。だが、常に100%集中しているわけではない。オーストリアGP(第8戦)では明らかにそうだった」
「ロズベルグにとっては最高のチャンス到来だと思う」
また、英国レーシングドライバーズクラブ会長のデレック・ワーウィックは、オーストリアGP後に行われたテストでハミルトンがロズベルグに走行を譲ったのは「おかしい」と話している。
だが、ハミルトンはイギリスGP(5日決勝)を前にこう話した。
「別にサボっていたわけじゃないよ。ちょっと検査を受けたり病院でやることがあったんだ。そのほうが大事だと思った。確実に100%の状態でここに来られるようにね」
■テストでクラッチの問題が判明
オーストリアGPの敗因は、スタートでロズベルグに前に出られたことだった。だがハミルトンは、ロズベルグのほうが開発に関与しているから良いスタートが切れたとする考えは間違っていると話す。
ハミルトンによると、第5戦スペインGPからメルセデスAMGが導入した新しいクラッチシステムに「深刻な問題」のあることが、ロズベルグのテスト中に判明したというのだ。
それは真実のようだ。メルセデスAMG技術部門のエグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは、オーストリアGPのスタートについてこう説明している。
「実際はルイスが信じられないほどうまく制御していたことが分かったんだ。もっと悪い状況になる恐れもあった」