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F1は今でも危険だとジャッキー・スチュワート

2015年06月23日(火)19:16 pm

元F1ドライバーのジャッキー・スチュワートが、F1は今でも危険なスポーツだと警告を発した。

F1オーストリアGP(第8戦)の開幕を迎える前、フェラーリのキミ・ライコネンが、F1の魅力を復活させるためにはもっと「危険」であることも必要ではないかと語ったことが報じられていた。

そのライコネンは、オーストリアGP決勝開始早々にクルマのコントロールを失い、すぐ脇を走行していたマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソを巻き込んでバリアにクラッシュ。その際、アロンソのクルマがライコネンのフェラーリSF15-Tに乗り上げる形となり、あわやライコネンの頭部を直撃するところだった。

スチュワートは、1994年のアイルトン・セナ以降F1での死亡事故は起きていないものの、今でもF1ドライバーたちは大きなリスクを抱えていると考えている。

現役時代には3度F1王座に輝いた実績を持つスチュワートは、『Der Tagesspiegel(ターゲシュピーゲル)』に次のように語った。

「マックス・フェルスタッペン(トロロッソ)がモナコで起こした事故は悲惨な結果となる恐れのあるものだった」

「そして5月の終わりには、モンツァで行われたF3レースでランス・ストロールが恐ろしい事故を起こしたものの、クルマから降りてピットに歩いて戻っていた」

「モントリオールで彼の父親であるローレンスが私にそのときのビデオを見せてくれたんだが、私はショックを受けたよ。そして彼(ローレンス)も、自分の息子がどうなっていたか分からないという現実に対してかなりショックを受けていた」

スチュワートはこれまで長期にわたってモータースポーツの安全性向上の旗手として活動してきた経緯がある。だが、スチュワートは現在のドライバーたちは、そうしたことに関して無関心であるばかりか、影響力さえ失っていると考えている。

「彼らの言葉には重みがないんだよ」と主張したスチュワートは、さらに次のように続けた。

「昔は、ドライバーたちがレースをボイコットし、カレンダーからレースが減ったこともあった。だからF1の運営に携わる多くの者たちはドライバーが再び権力を持つことを恐れているんだ」

「だが、何人かのドライバーはもはや安全性についての心配はないと考えている。それは恐らく、彼らの多くがまだ若く、ほとんどの連中が結婚もしていないことにもよるものだろう」

76歳となるスチュワートは、安全性の問題などを検討することを目的としてF1ドライバーたちによって組織されているGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)に協力するつもりもあると次のように続けた。

「もちろん、協力したいよ。そうして欲しいという要請さえあればね」

そう述べたスチュワートは、次のように付け加えた。

「多くの人たちが、F1はかつてとは違うものになったと言っている。だが、危険であることは今でも同じだよ。悲しいことだが、それをみんなが理解するためには、恐らく1人ではなく2人ほどの死を経験することが必要なんじゃないかな」

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