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ヒュルケンベルグのル・マン優勝をよろこぶフォース・インディアのボス

2015年06月16日(火)19:40 pm

先週末にフランスのサルト・サーキットで行われたル・マン24時間レースにおいて、ポルシェから初参戦したニコ・ヒュルケンベルグが見事に初優勝を飾った。ヒュルケンベルグは、フォース・インディアから今季のF1にフル参戦しながらのル・マン挑戦だった。

■ヒュルケンベルグはトップレベルのドライバーだとアロンソ

そのル・マン24時間レースが行われる前に、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、母国スペインの放送局『Antena 3(アンテナ3)』から、現在のF1ドライバーの中で優れていると思うドライバーを3人あげるよう求められていた。

『El Confidencial(コンフィデンシアル)』は、そのときの模様を次のように報じている。

「彼(アロンソ)はハミルトン(メルセデスAMG)とヒュルケンベルグの名前をあげた。その後少し考えて、リカルド(レッドブル)を付け加えていた」

アロンソが、自分の後任として今季フェラーリに移籍して大活躍しているセバスチャン・ベッテルの名前をあげなかったことは、今後また話のネタとなるかもしれない。だが、それは別として、ヒュルケンベルグの実力を高く評価しているのはアロンソだけではない。

2013年シーズン限りでF1を引退し、昨年からポルシェでWEC(世界耐久選手権)の最高峰カテゴリーLMP1に戦いの場を移した元レッドブルのマーク・ウェバーも、27歳となるヒュルケンベルグには、「F1でももっといいシートが与えられてしかるべきだ」と語っている。

■ヒュルケンベルグの活躍で注目を集めるWEC

現在、ドライバーや観客は、もはやF1が世界最高のモータースポーツとは言えなくなっているのではないかとの疑問を持ち始めている。人気は年々下降線をたどっており、こうした状況を重く見たF1では、2017年からかつてのようなスピードと魅力を備えたF1に復活させるべく、さまざまなルール変更などについての検討が行われている。

そうした状況のさなかにヒュルケンベルグがル・マン24時間で優勝してしまったことで、さらにF1とWECとを比較する記事などがメディアを飾ることになってしまったようだ。

どうしてF1にフル参戦しながら、ル・マン24時間にも参戦しようと思ったのかと質問を受けたヒュルケンベルグは、『f1-insider.com』に次のように答えた。

「当然ながら、僕はそのことが自分のF1でのキャリアに影響を及ぼさないだろうかと自問したよ。異なるドライビングスタイルに自分を慣らさないとならないからね。でも、それによってF1に影響がでるとは思っていないよ」

さらに、ヒュルケンベルグは『Der Spiegel(シュピーゲル)』に対しても、F1とは対照的とも言えるWECの雰囲気を楽しむことができたと次のように語っている。

「そこにはエゴイズムは存在しないし、F1ドライバーの間に見られるような厳しい争いもない。(WECには)連帯感のようなものさえあって、まったく違う雰囲気なんだ」

■この勢いをF1に持ち込んで欲しいとマリヤ

一方、サルト・サーキットにおいてヒュルケンベルグが優勝するところを目の当たりにしたフォース・インディアのチーム代表ビジェイ・マリヤは、チームにとって大事なドライバーであるヒュルケンベルグがル・マン24時間に出場することを認めるという英断を下したことに満足しているようだ。

マリヤは、今回のヒュルケンベルグの優勝は「素晴らしい」結果だったと称賛し、次のように続けた。

「24時間レースは、ドライバーとクルマのどちらにも全力投球が要求されるものすごいレースなんだ」

「ニコのパフォーマンスは、彼が途方もない才能を持っていることを示すものだったし、我々フォース・インディアにとっても誇らしいものだった」

そう語ったマリヤは、次のように付け加えた。

「彼が今回の成功によって勢いづき、オーストリアGP(21日決勝)でもまた素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれることを心から願っているよ」

来週末に開催されるオーストリアGPでは、これまで以上にヒュルケンベルグに注目が集まるのは間違いないだろう。

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