かつてF1インドGPを主催していたジャイピーのサミール・ガウルが、インドでのF1レース復活に向け、現時点ではインド政府の支援決定を「待っている」状態だと語った。
5月末には、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、インドGPは早ければ2016年にもF1カレンダーに復帰することも可能だと語り、現在は「主催者側からの連絡を待っているところだ」とインド版『Telegraph(テレグラフ)』に次のように付け加えていた。
「必要なのは、ジャイピー・グループが“よろこんで続けたい”と言うことだけだ。そうすれば、現在の契約を生き返らせることができる」
2011年から3年間にわたって開催されたインドGPだが、インドにおける税制問題や主催者側の資金不足などにより2014年以降のF1カレンダーからは外れた状態となっている。
ガウルは、これに関し、インドの『Press Trust(プレス・トラスト)』に対し、次のような説明を行っている。
「その問題は、基本的にF1グループの納税義務に関するものだ。つまり、彼らの収入は主に開催権料やチームとドライバーたちの収入によって成り立っているが、それにかかる所得税をインドで収めるのか、あるいはイギリスで収めるのかということだ」
「我々としてはこの所得税の問題が解決されるのを待っている状態であり、この問題に決着が付けば、我々は再びレースを開催することができるようになるだろう」
ガウルも、2016年からのインドGP復活さえ可能だとしつつ、インドのモーターレーシング協会であるFMSCIの働きに対しては非常に批判的だ。
そのFMSCIの代表を務めるバラット・ラジは、『Deccan Herald(デカン・ヘラルド)』に次のように語った。
「ガウル・ファミリーと会うことにしている。彼らは非常に積極的だ」
「すでにご承知の通り、F1プロモーター(エクレストン)はインドでのF1復活を熱望している。彼はガウル・ファミリーとの対話を望んでいる」
「もう少し時間がかかるだろうが、そのうちいいニュースが聞けると思うよ」
だが、ラジは、インドでのF1開催が中断されてしまった背景には、税問題以外の事情もあったのだと次のように続けた。
「我々は、輸入に関する法律や免税などの問題を検討し、解決していかなくてはならない。そして最も重要なのがF1に支払う開催権料だ。これに関しては、通常世界中どこでも政府によって支払われるものだ」
「これには時間もかかるだろう。一夜にして実現することなどない。政府にとっても、検討を行い、問題を解決するための時間が必要だ。だが、我々は間違いなくこの問題に取り組んでいるよ」とラジは付け加えた。