F1には危険な要素も必要だというキミ・ライコネン(フェラーリ)の言葉に賛同の声が上がっている。
ライコネンは、フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』のインタビューで、F1の改善点として「もう少し危険」なほうが良いと次のように話した。
「僕がF1に上がった頃は、誰にとっても刺激的で素晴らしいものだった。でもそれはもう昔の話。今はルール変更でクルマを遅くする方向だ」
「もっと刺激的なものにするために何かすべきだと思う」
「誰一人ケガをしてほしくはないよ。でも、もう少しワクワクするようなものになるだろう」
■F1は「コントロールされすぎている」とラウダ
1976年の事故でひん死の重傷を負ったニキ・ラウダも、ライコネンの意見に賛成だ。ただし、「危険」というより「リスキー」という言葉を選ぶと『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙に話している。
現代のF1は「コントロールされすぎているし、ルールが多すぎて、キャラクターがなくなった」とラウダは話し、F1マシンのスピードをさらに上げるべきだと語る。
「安全性を無視していいと言っているわけじゃない」
「だが、クルマがもっと速ければ、当然ドライバーや観客が味わうスリルも増すだろう」
また、それによって「ドライビングスキル」に秀でたドライバーが活躍できるとラウダは話す。
「時計を戻すことはできない。だが、ドライバーはもう一度自分の手でクルマを押さえつけなければならくなる。今のようにただボタンを押しているだけではなくてね」
とは言え、リバースグリッドやバラストなどで人為的に操作することにはラウダも反対だ。
「どんな形であれ操作を加えることほどスポーツにとって悪いことはない。やってはならないことだ」
■ベルガーの意見
元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーも、ドライバーの力量に重きを置くべきだとドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に語っている。
「DRSゾーン1、DRSゾーン2。そういったものは複雑すぎる」
「モータースポーツである以上、第一にドライバーが決定的要素にならなければ。テクノロジーではなくてね。最悪の場合、誰一人理解できなくなる」