フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長が、メルセデスはF1エンジン開発凍結ルールの見直しに向け、もっと「分別」を持つ必要があると語った。
最近、ルノーからワークスエンジンの供給を受けるレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、もし今後も現在の厳格なエンジン開発ルールが緩和されることがなければ、ルノーがF1から撤退してしまうだろうと語ってきた。
だが、そのルール緩和が実現できるかどうかはメルセデスにかかっている。
ルール改正には全チームが賛成することが必要とされているが、現在圧倒的に有利な立場にいるメルセデスとしては、自分たちのライバルに有利に働くようにルールを変更することを望まないのは明らかだ。
ホーナーも最近、「トト(ヴォルフ/メルセデスAMG責任者)は何も変えたいとは思わないだろうよ」と語っていた。
だが、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、メルセデス首脳も今では「聞く耳を持っている」と考えている。ヴォルフや非常勤会長の地位にあるニキ・ラウダも、F1の将来について不安を感じているためだ。
マルキオンネもこれに関してスペインの『Marca(マルカ)』に次のように述べた。
「私は、メルセデスもルールを盾にとって自分たちのポジションを守ろうとすることは正しいやり方ではないことが分かっていると思うよ」
「優位性を永久に維持できるだろうと考えている者がいるなら、我々フェラーリに起こったことを思い出す必要がある」
かつて2000年から2004年にかけてミハエル・シューマッハを擁して5連覇を達成するなど、一時は黄金時代を築いたフェラーリ。だが、その後長期にわたるスランプに陥ることになっていた。
「我々は数年にわたってどん底の時期を過ごしたが、今そこから抜け出しつつある」
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』にそう語ったマルキオンネは、次のように続けた。
「永遠に続くものなど何もないんだ」
「だから、フェラーリも今のメルセデスAMGと同じように有罪だよ」
「これに関しては分別を持とうじゃないか。そうこうしている間にすべてを失ってしまうことがないようにしないとならないからね」とマルキオンネは付け加えた。