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ベッテルとライコネンは今後も対等の立場

2015年06月10日(水)16:47 pm

今のフェラーリにはナンバー1ドライバーは存在しない。フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネがそう主張している。

【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

以前、アリバベーネがセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンに対し、今年からは、かつてのミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソ時代のようにチーム内でドライバーに序列を設けるようなことはしないと語ったということが報じられていた。

■カナダではライコネンのミスに激怒していたボス

だが、そのアリバベーネも先週末のF1カナダGP(第7戦)決勝で、表彰台が確実な位置を走行しながら、スピンを喫してそれをみすみす失ってしまったライコネンに対してはかなりおかんむりだった。

ライコネンは、エンジンセッティングがそのスピンの原因となったと主張。だが、アリバベーネは「我々は表彰台を投げ捨ててしまった。それが事実だ。言い訳などできない」と憤りを隠せなかった。

ライコネンは最終的に4位でフィニッシュしたが、そのわずか数秒遅れでベッテルが5位に入っていた。ベッテルはマシントラブルにより予選Q1で敗退。しかもフリー走行3回目での赤旗無視によりグリッド降格ペナルティーを科され、18番グリッドからのスタートだったにもかかわらずだ。

■今後もチームオーダーは考えない

そのベッテルは、現在メルセデスAMGの2人のドライバーに次ぐランキング3番手につけている。しかも、カナダGP前にはライコネンとのポイント差は38ポイントに開いていた。

しかし、アリバベーネはライコネンの表彰台獲得の望みが消えた時点でも、今後のベッテルのランキング争いを有利にするためにライコネンにベッテルを先に行かせるようチームオーダーを出すことはなかった。

カナダで、そういう指示を出すことは考えなかったのかと質問されたアリバベーネは、次のように答えた。

「いや、そんなことはまったく考えなかったし、そういう話も出なかった」

「我々はシーズンが開幕する前に、2人のドライバーがどちらも自由にレースができるということを明確にしていたからね」

■いずれにしても今季のタイトル獲得は無理

アリバベーネは、仮にもっとタイトル争いの差が接近してくればその方針を変える可能性もあると認めつつ、次のように続けた。

「我々は地に足を着けていなくてはならないんだ。我々の目標は変わっていないからね」

「以前我々は、もし今年2勝もできればそれで満足だと言った。我々がどういう状態からスタートしたかを忘れてはならないよ。これまでF1タイトルを狙うなどと言ったことは決してない」

■エンジン改良度合いには満足

カナダGP決勝後には怒りを隠しきれなかったアリバベーネだが、そういう意味においては、改良を施したエンジンがカナダで示したパフォーマンスには満足できていると語っている。

「そう、我々は望んでいたことを達成した」

だが、アリバベーネはメルセデスAMGとの差はまだ大きいことも分かっている。

「現時点においては、彼ら(メルセデスAMG)のほうが我々よりも強いということを認めなくてはならない」

そう語ったアリバベーネは、次のように付け加えた。

「現実的に見て、我々がメルセデスAMGとの差を縮めることができたとは言えない。だが、我々の方向性は正しいものだ」

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