F1カナダGP(7日決勝)の予選でフロントローを独占したメルセデスAMGは、決勝に向けても自信を深めている。
前日のフリー走行では、レースシミュレーションで改良型のエンジンを持ち込んだフェラーリがメルセデスAMGをしのぐペースを見せた。「トークン(開発引換券)」を使用した改良によって、フェラーリは15~30馬力のパワーアップを果たしたと言われている。
だが、メルセデスもトークンは使用していないものの新パワーユニットをカナダから持ち込んでおり、信頼性とともにパワーもアップしていると見られている。
信頼性の向上によって、メルセデスAMGはさらに強力なエンジンモードを使用できるようになったといううわさもある。
事実、カナダGPの予選でポールを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、3番手につけたフェラーリのキミ・ライコネンに0.6秒の差をつけた。
予選後にメルセデスAMGのチーム代表トト・ヴォルフはこう語った。
「金曜日はフェラーリが非常に大きな前進を果たしたように見えた。だが、GPSのデータに惑わされていたようだ」
「土曜に見たラップタイムはつじつまが合わなかった」
メルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは、安どしつつも警戒を緩めていない。
「われわれにふさわしい位置、3位に差をつけての1位と2位に戻った。だが、このレースはエンジンとブレーキに恐ろしく厳しい」
「だから結果が出るのを待とう」とラウダはドイツのテレビ局『RTL』に語っている。
また、第6戦モナコGPでハミルトンの勝利を奪ったような戦略ミスをチームが繰り返す恐れはないとラウダは話す。
「二度とあり得ない。われわれはすべてを改めたからだ」