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GPDA会長「チームがF1規則を決めるべきでない」

2015年06月07日(日)6:39 am

F1ドライバーの組合組織GPDA(F1ドライバーズ協会)で現役レーシングドライバーのアレックス・ブルツは、F1統治の現状を憂慮している。

ブルツは元ベネトン(現ロータス)とウィリアムズをドライブ。現在はトヨタからWEC(世界耐久選手権)に参戦している。

GPDAはF1第6戦モナコGPの期間中、インターネットを使ってかなり本格的なアンケートを実施した。F1人気の世界的な下降が懸念されるとともに、F1ドライバーたちも、クルマが遅すぎる、挑戦しがいがない、などと不満たらたらだ。

例えば、ブルツと同じくWECに活躍の場を移し、昨年からポルシェ・ワークスに所属するマーク・ウェバーだ。彼はイギリス『Racer(レーサー)』誌に、F1引退と、ル・マンを頂点とするスポーツカーレース転向をちっとも悔いていないと次のように語った。

「2005年から2007年にかけてF1は、唯一無二の存在だった」「ところがここ数年、2つのシリーズ(F1とWEC)はかつてないほどレベルが近づいている」

「私はピレリの(責任者)ポール・ヘンベリーに言ったよ。『僕らはいわばF18のパイロットなのに、操縦しているのはルフトハンザ機じゃないか』とね」

F1では、2017年に規則を大幅に改正すると発表している。だがタイヤ戦争は早々に否定され、レース中の燃料補給を再導入する話もいくつかのチームが反対している状況だ。

F1ドライバーの代表としてブルツは、現在のF1統治システムに不満だ。特定のチームに大きな発言力があるからである。

「F1に参戦するものは目標が高い。どんなことをしても勝とうとする」とオーストリア『APA通信』に話すブルツ。「皆が牙を研いでいるような状況でコンセンサスなんか得られるわけがない」

それに「なぜレースに参戦する者が規則を決めるのだ?」とブルツは、いぶかしげだ。「ランス・アームストロング(米の元ロードレーサー。3大レースのひとつツール・ド・フランスを7連覇。後年、ドーピングが発覚して全勝利はく奪)がツールを毎日タイムトライアル(短距離を単独走、時間を争うレース)にしろと言えば、マルコ・パンターニ(山岳のスペシャリスト。故人)は山頂をゴールにしたがる。そんな状況さ」

「トータルで考えれば、F1はすばらしい商品だ。とにかく、今のビジネスモデルは慎重に修正することさ。そのためにはリーダーシップが必要だ」

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