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マルドナードは「アンタッチャブル」にあらず

2015年06月04日(木)16:53 pm

スポンサーから多額の資金をチームに持ち込んでいるパストール・マルドナード(ロータス)だが、だからといってそのレースドライバーとしての身分が保障されているわけではないとロータスが主張している。

今季ここまでのマルドナードは、6レースでまだ1ポイントも獲得できていないばかりか、完走できたのがわずか1レースだけという状態だ。そのマルドナードの肩には大きなプレッシャーがのしかかってきている。

あまりのクラッシュの多さに、名前をもじって「クラッシュトール」というあだ名まで与えられたマルドナードだが、今週、ネット上にマルドナードを主役とした“疑似ドキュメンタリー映像”が出回っている。そこには事故やクラッシュを起こし、ファンのみならず、F1関係者や仲間のドライバーたちからもその能力を疑問視されている様子が描き出されている。

マルドナードがF1デビューを飾ったウィリアムズ、そして2014年から移籍したロータスにおいても、彼が自身のスポンサーであるPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)から持ち込む多額の資金により、マルドナードが大失敗を犯してもそれが大目に見られているとの認識があるのは事実だろう。

だが、ロータスの最高経営責任者であるマシュー・カーターは、イギリスの放送局『Sky(スカイ)』に対して次のように語った。

「彼(マルドナード)はこれまですごく運が悪かったんだ。だけど、彼は速いレーシングドライバーだよ」

「我々は毎週のように彼がシミュレーター作業を行っているところを見ており、彼の能力については理解をしている。それに、マレーシアのような大変なレースでも、彼はロマン(グロージャン/チームメート)より速かったんだ」

「最初のいくつかの事故に関しては、パストールを責めるわけにはいかないと思っている。彼は不運だったし、我々にとっても獲得できるはずのポイントをかなり投げ捨ててしまったことに非常に悔しい思いをしている」

昨年に比べるとF1カーの戦闘力がかなりアップしたことは間違いないロータスだが、現時点でのコンストラクターランキングはまだ7番手にとどまっている。

だが、もし仮に2台のクルマが同じようなペースでポイントを獲得することができていたとすれば、今ごろはザウバーやフォース・インディアの上の5番手に位置していたことは間違いないだろう。

「昨年は非常に難しいシーズンを送ってしまったが、今年の目標はランキング5位で終えることだ。今の選手権の様相を見れば、それは可能だし、達成しなくてはならないと考えているよ」

そう語ったカーターは、巨額のスポンサーを持ち込むマルドナードはチーム内において「アンタッチャブル」な存在となっているのではないかとの見方を否定し、次のように主張した。

「彼の身分は保障されているわけではないよ」

「彼は自分の能力を証明し、レーシングドライバーとしてふさわしいということを証明してみせなくてはならないんだ。我々の立場から見れば、彼はそうしてみせているよ」

「モナコではロマンより予選で上位につけたが、いいドライバーでなければモナコでああいう運転はできないよ。彼はここまでのすべてのレースにおいて、さまざまなポイントで速さを見せてきている。彼に必要なのは、うまく週末をまとめあげることだ」

「自信を持って、一つの週末をうまくまとめあげることさえできれば、その後もそうした状況が続いていくだろう。そしてカナダ(7日決勝)にはそのための大きなチャンスがある。カナダには我々のクルマは非常に合っているはずだからね」

2012年のスペインGPで、非力なウィリアムズのマシンでポール・トゥ・ウィンを達成したこともあるマルドナード。だが、表彰台に上ったのは後にも先にもその1回だけだ。

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