F1チームはドライバーの給料に金を浪費するな。前FIA(国際自動車連盟)会長マックス・モズレーの提言である。
F1第6戦モナコGPに先がけてルイス・ハミルトンとメルセデスAMGの超ド級契約が発表された。これを受けてモズレーは、男性雑誌『GQ』のインタビューを受けたものだ。
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に代表される、数千万ドルのF1超高給取り。メルセデスAMGと再契約したハミルトンも、その仲間入りを果たしたとみられる。
「バカげている」とモズレー。
「もし私がF1の独裁者なら、どのチームも予算を同じにする。クルマの開発費を削ってドライバーに費すもよし、その逆でもけっこうだ」
「ドライバーの関心事といったら、他のドライバーと較べて自分がいくら稼ぐか、それだけだ」
さいきんは「独裁者」思想の話題が加速している。かつてモズレーの相棒だったバーニー・エクレストン。彼は、現代の大勢を占める「民主主義」がうらめしくてならない。
そんなエクレストンに、フォース・インディアのチームオーナー、ビジェイ・マリヤも同調する。
彼はF1公式サイトにこんなことを言っている。「F1は民主主義が過ぎる」
「われわれ(フォース・インディア)にはわれわれの見方があって、はっきり主張をするのだが、必ずビッグ4(メルセデスAMG、フェラーリ、レッドブル、マクラーレン)に押し切られる。規則が作られる過程なんて、そんなものだ」
「他のどのスポーツにも必ず、主催者と競技を取り仕切る者がいる。われわれにとってそれは、FOM(F1マネージメント)とFIAだ」