先週末のF1モナコGP(第6戦)決勝で、チームの采配(さいはい)ミスによってルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が勝てるはずのレースを失うという大問題が発生していた。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、この件に関してはどこに問題があったのかを分析はするものの、それによってこれまでのやり方を劇的に変えるようなことはないと主張。すでに今回の事件の責任を取らせるために担当エンジニアなどが解雇されるのではないかとのうわさを否定している。
さらに、記者たちから、今回の償いとしてどこかほかのレースでわざとハミルトンに優勝させる可能性もあるかとの質問を受けたヴォルフは、次のように答えた。
「みなさんは、私にF1でテレビゲームのようなことをしろと言うのかね? 我々はゲームで遊んでいるわけじゃないんだ」
だが、メルセデスAMGでは、ほぼ勝利が確定的だったハミルトンをピットに呼び戻すという失態を演じたことに関しては、今後も詳細な分析を続けていくとしている。
メルセデスAMGは、モナコGP決勝が終わった後すぐにチームメンバーを集めて会議を行っていた。その様子はパドックの窓越しに記者たちの目にも入っていたが、ヴォルフはそれにはブラックリーとブリックスワースにあるファクトリーからも100名ものスタッフがテレビ会議形式で参加していたことを明らかにしている。
「我々は木曜日(28日)の朝にも集まることにしており、そこでも分析を続ける。そして、我々のシステムのどこに欠陥が潜んでいるのかが明らかとなるだろう」とヴォルフは語った。