今季は1人のドライバーにつき、年間に使用できるエンジンは4台までに制限されている。もしそれ以上のエンジンを使った場合にはグリッド降格ペナルティーが科されることになる。
この厳しいルールのもとで、一番有利な立場にあるのが現在最強を誇るメルセデスAMGだ。
最近、この年間4台というルールはあまりにも厳しすぎるとして、枠を5台に拡大しようという動きがあった。だが、メルセデスAMGが反対したことで、この案は通過しなかったと言われている。
実際のところ、メルセデスAMGは今季ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのいずれも年間使用エンジン台数は3台で乗り切ることができるかもしれないとさえ言われている。
今季のF1も先週末のモナコGPで全19戦のうち6レースを終えたが、メルセデスAMGの2人のドライバーがモナコで使ったエンジンはまだどちらも1台目のものだった。
メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、モナコGP決勝後にドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「すでに4台目を使っているところもある」
「我々は素晴らしい実績を誇っているよ」
ラウダが言及したように、開幕以来ルノーエンジンのトラブルに泣かされてきたレッドブルでは、すでに4台目のエンジンを搭載している。ダニエル・リカルドにとってもダニール・クビアトにとっても、近いうちに5台目のエンジンを搭載しグリッド降格ペナルティーを受けることになるのは確実な状況だ。
「シーズンの残りのレースをこの1台のパワーユニットだけで乗り切ることはできないし、それ(ペナルティー)は避けられないと思う」とレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーもこれを認めている。
一方、メルセデスAMGも、次戦カナダGP(6月7日決勝)では、今年初めてエンジンを乗せ換えてくるものと考えられている。
さらに、フェラーリもカナダでは新しいエンジンを搭載するのではないかと見られている。そして、そのエンジンは、恐らく、トークン(開発引換券)を利用して、パフォーマンスをさらに向上させたものになるようだと報じられている。
だが、フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ(チーム代表)は、次のように語ったと報じられている。
「カナダではトークンを使う予定はない。だが、いつ使うのかという質問は勘弁してくれ。ドイツのチーム(メルセデスAMG)にはそれを知られたくないからね!」