フェラーリはF1モナコGP(24日決勝)でタイヤのウォームアップに苦しんでいる。
大規模な改良パッケージを投入した第5戦スペインGPでフェラーリが振るわなかったことについて、燃料流量に関するルールが厳格化された影響ではないかと見る関係者もいる。
ドイツのタブロイド紙『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』は、その分を「埋め合わせる」ためにエンジン責任者のマッティア・ビノットがエネルギー回生システムのセッティングを改善しようと努力を重ねていると伝える。
■温度が上がることを望むフェラーリ
フェラーリはモナコGPの予選でセバスチャン・ベッテルがトップのメルセデスAMGと0.8秒差の3番手だった。予選後にチーム代表マウリツィオ・アリバベーネは、問題は天候のため路面温度が上がらなかったことだとイタリアのテレビ局『Sky(スカイ)』に話した。
「セバスチャン(ベッテル)は非常に良い仕事をした」
「ただ、太陽が出ると予想していたんだがね。そのほうがわれわれのタイヤには好都合だ」
2015年のフェラーリはピレリタイヤを長持ちさせることは得意だが、それには路面温度が高い必要があると見られている。
「フェラーリは温度が下がると不自然なほど大きくラップタイムが下がるようだね」とメルセデスAMGのチーム代表トト・ヴォルフも話す。
「どのクルマにも特有のDNAがある。だが、われわれのクルマは全般に非常に強く、特定の強みも欠点もない」
フェラーリを悩ませた原因は、今年のスーパーソフトタイヤが昨年ほど軟らかくないこともあったようだ。
ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は予選後に「言葉を慎重に選んで話すよ」と前置きして、「今回のタイヤは…すごく硬いんだ。ソフトとスーパーソフトであることを考えると、信じられないほど硬いよ」
■チームメートバトルに干渉しないとメルセデスAMG
フェラーリにメルセデスAMGを脅かすことができないとすると、決勝の見どころは、ハミルトンとチームメートのニコ・ロズベルグの戦いということになる。
「われわれは干渉しない」とヴォルフは明言した。
「われわれのドライバーは、物事をわきまえている」
「モナコは特別なケースだ。ほかのどこよりもバリアに突っ込みやすい。これまでのレースでも事故は一切なかったから、外から干渉する必要はまったくない」