今季、勢いを取り戻してF1第5戦スペインGPに改良型マシンを投入したフェラーリ。しかし大きな期待と裏腹にレースが終わってみれば、かえってメルセデスAMGとの差は広がった。
クルマが変わってから2戦目にあたる今週末の第6戦モナコGPは、彼らにとって仕切り直しの一戦だ。
チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネは次のように話す。「スペインGPの結果は(バルセロナの)サーキットに原因があったのだろうか。もしわれわれ自身が悪かったのなら、それを理解することが必要だ」
確かにスペインGPはフェラーリにとって不毛のレースだった。キミ・ライコネンはそれまでの好調ぶりがウソのように、セバスチャン・ベッテルが最新スペックで戦うのを尻目に一世代前のマシンで走らざるを得なかった。
ライコネンの先輩で1998年と99年のF1世界王者ミカ・ハッキネンは、自身のスポンサー、エルメスとのインタビューで次のように話す。「非常に困難な状況だ」
「モナコGPを前にフェラーリは、新パーツがほんとうにメリットを生むかどうか徹底的な分析を行なったに違いない」
「それでも、両ドライバーとも新パッケージを使い続けると私は思う」
スペインGPの直後に同じバルセロナで行った合同テストでは、控えドライバーのエステバン・グティエレスがそのためのデータ取りを行なった。複数のニュースソースによればチームは、風洞とシミュレーションで弾き出された「数値」をコース上で再現できたという。
グティエレスは次のように話す。「新空力パッケージの評価を行なったところ、順当な結果だった」
「前戦で新ソリューションを導入したのはいいが、もっとうまい具合にセットアップを進めたいところだ。そのためにはクルマをよく理解しなければならない。それが今回、僕らの仕事だったわけだ」
あるイタリアの消息筋からは、次のような情報を得た。「合同テストを走ったグティエレスとラファエレ・マルチェロの2人は、新パッケージでマシンは改善したどころか、見違えるようによくなったとチームに話していた」