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有名ジャーナリストが現在のF1に物申す

2015年05月19日(火)16:44 pm

有名なF1ジャーナリストが、1982年に事故死した伝説的元F1ドライバーのジル・ビルヌーブは、現在のF1を「嫌っていただろう」と語った。

今季復活を遂げたマノー・マルシャから5レースに出走していたスペイン人ルーキーのロベルト・メリーは最近、現在のF1はタイヤと燃料をいかにセーブするかにかかっており、それはこれまでに参戦してきたフォーミュラ・ルノー3.5シリーズなどに比べれば奇妙な印象を受けると語っていた。

1970年代序盤からF1ジャーナリストとして活躍し、非常に大きな影響力を持つ人物だとされているイギリスのナイジェル・ルーバックは、スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』とのインタビューにおいて「そういう話を聞くのは本当に好きじゃないんだ」と語り、次のように続けた。

「つい最近まで、どんなF1チームも最高のタイヤを求めていたし、可能な限りの耐久性も求めていた。ところが、今はどうだ?」

「ピレリを責めるつもりはない。だが、彼らがこうした考え方のもとに我々のクルマのためのタイヤを売ろうとしていることには驚いているよ。今では“見どころ”を増やそうと、非常に性能の劣るタイヤが恣意(しい)的に造られているんだ」

ピレリにそうした考え方のもとでタイヤを製造することを求め、それをよしとしているのがF1最高責任者のバーニー・エクレストンだ。だが、ルーバックは、ジル・ビルヌーブのようなドライバーはそんなものを歓迎しなかっただろうと主張している。ビルヌーブはタイヤをいたわることなどせず、常に限界を超えるところでクルマを走らせようとしていたことで人気の高かったドライバーだ。

「彼なら、これを嫌っていただろうね」と語ったルーバックは、次のように付け加えた。

「現在我々が行っているのは、彼が考えていたような競技にはなっていない。タイヤをいたわり、燃料消費量に注意しなければならないなんて、とんでもないことだ!」

現在では、F1に大きな影響力を持つ人物たちも変化が必要だと認識していると考えられている。だが、現在F1のルール変更に関する権力を有するのはストラテジー・グループと呼ばれる組織だ。

かつてはF1チームによる協議機関であるFOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション)という組織があったが、現在はエクレストンによって提案されたこのストラテジー・グループにとって代わられている。そして、このストラテジー・グループで重要な議決権を持つのはフェラーリやレッドブルといった大規模チームたちだ。

「内部関係者たちは、彼ら(大規模チーム)はザウバー、ロータス、フォース・インディアといったチームのことなどまったく意に介していないという印象を受けているよ」と語ったルーバックは、次のように続けた。

「今日のF1には2つの間違いがある」

「CVC(F1オーナー企業であるキャピタル・パートナーズ)は、F1史上最悪のものだろう。多くの収益が還元されない状態となっている。それが第一だ」

ルーバックは、次のように付け加えた。

「そして、2つ目は、トップチームたちにはほかのチームを助けようという気がないことだ。このビジネスは非常に自己中心的になっているし、これではそのうちグリッドに並ぶのは5チームだけになってしまうかもしれないよ」

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