かつて3度F1チャンピオンに輝いた往年の名ドライバー、ジャッキー・スチュワートがF1には変化が必要だと語った。
スチュワートに言わせれば、そのひとつの要素が「エンターテインメントとしてのあり方」だ。
「F1はもっとショーとして楽しめるものにする必要がある。バーレーンでは観客席の後ろに回ると、そこには音楽が流れ、踊っている人たちがおり、家族のためのエリアも設けられていた。食べ物だってアラブ料理やアメリカ料理、インド料理などが提供されていたよ」
サヒールで開催されたF1バーレーンGP(第4戦)をそう評価したスチュワートは、ブラジルの『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』に次のように続けた。
「もっと女性や子供たちを魅了することも考える必要があるね。サッカーを見てごらん。今では男性客と同じくらい女性が見にきているよ」
「かつては、男が週に何時間も働き、家に帰ってから妻にサッカーを見に行くと告げていたんだ。今では彼女も子供たちを連れて私も一緒に行くわって答えることができるようになっている」
「F1ではそういうことを考えてこなかったんだ。だが、新たな時代のスポンサーがそうしたことの必要性を考えてくれることを期待しているよ」
そうしたF1の問題に関し、その責任は最高責任者のバーニー・エクレストンにあると指摘する者も少なくない。84歳となるエクレストンは、ソーシャルメディアを駆使するデジタル世代に対しては、どちらかといえば否定的だ。これまでも金を持たない若者にアプローチしても仕方がないというような発言を行ってひんしゅくを買ったこともある。
「バーニーは、ほかのスポーツでは誰も成し遂げられなかった多くのことをF1で実現してきたよ。サッカーでは、誰が実際にそのスポーツを変えてきたのかを特定することはできないだろう?」
エクレストンのこれまでの業績を評価したスチュワートは、次のように続けた。
「それでも、絶対に不可欠な人物などはいないし、次にF1のリーダーとなる者のほうがさらによいということだってあるだろう」
「バーニーは素晴らしいよ。パドックを見てごらん。完ぺきだよ。それに、彼がF1の財政面で果たしてきたことも大きい」
だが、スチュワートは最後に次のように付け加えた。
「バーニーがいなくなればさびしいだろう。だが、彼も誰かと交代することになる」