F1が2017年からいくつかのルール改正を行う方向であることが明らかとなった。
14日(木)にイギリスで開催されたストラテジー・グループ(F1の意思決定機関)の会議に関し、最初の報道ではあまり大規模な変革につながるような決定は行われなかったようだと伝えられていた。
だが、実際には多くの変更案について合意に至り、今後、正式承認に向けてF1委員会や世界モータースポーツ評議会にそれらが諮られることになったようだ。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)と、F1最高責任者バーニー・エクレストンの連名によって15日(金)に出された声明には、現在F1が直面している困難に対応するための変化が必要だという認識で一致したと書かれている。
■2016年からタイヤ選択システムが変更か
多くの変更は2017年からの導入が目指されるものだが、来年から早速取り入れられることになったルールもあるようだ。それは、各チームが現在4種類設けられているピレリタイヤのうち、好きな2種類を独自に選択することができるようにするというものだ。
この案はもともとフォース・インディアから提案されていたものだが、会議の前日13日(水)には、ピレリのF1プロジェクト責任者であるポール・ヘンベリーが、その案は効果を発揮しないだろうと次のように語っていたばかりだ。
「我々は非常に多くのデータをもとにタイヤの選択を行っているし、10チームすべてのシャシーについても考慮に入れている」
「我々としてはその選択を第三者に委ねたくはないと考えている。安全上の問題につながる可能性もあるからだ」
だが、今回FIAとエクレストンが出した声明には、その手法がF1の「ショーとしての面白さを増す」ために導入されることになるとされている。
■2017年からはレース中の給油も復活
一方、2017年に向けて変更されるレギュレーションは、「より速いF1カー」の実現に向けたものだ。伝えられるところによれば、現在よりも1周あたり5ないし6秒ほどラップタイムを改善することが目指されるという。
そのためには、空力関係のレギュレーションが見直されることになるとともに、幅広タイヤの導入やF1カーの軽量化といった策が含まれることになりそうだ。
そして、F1カー軽量化と、レースの面白さを増すという目的も踏まえ、レース中の給油が復活することになるという。
FIAによれば、現行のV6パワーユニットはそのまま継承されるものの、レブリミット(回転数上限)が引き上げられることでエンジン音はさらに大きくなるだろうという。さらに、F1カーのデザインもこれまでよりも「さらに攻撃的」なものと変化するだろうとしている。
一方、コスト削減に関しては、「今後数週間のうちに」F1チームたちによる提案が出されることになったと声明には記されている。