今年からレッドブルにステップアップしたダニール・クビアトは、批判を冷静に受け止めている。
21歳のクビアトは、昨年レッドブルの育成チームであるトロロッソでデビューし、将来のチャンピオン候補と高く評価されていた。ところが、今年レッドブルにステップアップしてからはいいところを見せられずにいる。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、F1第5戦スペインGPでのクビアトの走りをこう批判した。
「クビアトは周回遅れを抜くのに毎回2秒ロスしていた」
「ラップタイムも不安定だった」
一方マルコは、今年トロロッソでデビューしたマックス・フェルスタッペンとカルロス・サイツについては「群を抜いて素晴らしい」とほめちぎっている。
また、「評価を確立したと言われているウチの連中も用心したほうがいい」とマルコが語ったとオーストリアのメディアは伝える。
■クビアトは経験不足なだけ
だが、トロロッソのチーム代表フランツ・トストはクビアトについて、経験が十分でないだけで「チャンピオンの遺伝子」を持っているとF1公式サイトに語った。
「F1マシンに乗って成長するには時間がかかるものだ。だから私はドライバーと3年仕事をさせてほしいと言っている。それから手渡すんだ」
「ダニールはトロロッソに1年しか在籍していない。彼はクルマのトラブルに直面している。単にダニエル・リカルド(レッドブル)ほど経験がないだけのことだ」
「ダニールは非常に高い技術を持つドライバーだ。クルマに信頼性があれば、きっと素晴らしい速さを見せると確信している」
■批判にも冷静なクビアト
クビアト自身は批判を冷静に受け止め、不振のどん底にいるレッドブルを復活させることに全力を注ぐと語る。『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えた。
「F1に奇跡はあり得ない」
「落ち着いて仕事を続け、全力で努力するしかないんだ」
クビアトは今年5戦で2回マシントラブルからリタイアしており、獲得ポイントはレッドブル全体の15%に過ぎない。だが、クビアトはこう語っている。
「がっかりはしていないよ。チーム内に不満がたまっているとも感じない。僕たちはとにかくトラブルから抜け出したいと思っているんだ」
「潜在能力は確かにある。僕自身についても、結果が示す以上の力を見せられると自信を持っているよ」