F1公式エンジンサプライヤーのルノーが、フランスのヴィリー・シャティオンにあるファクトリーでは「何かがおかしい」と認めている。
ルノーの今季型V6エンジンには、ピストンの設計に基本的な問題があったと報じられていた。だが、ルノーではその問題を解決することがなかなかできずにいる。
「動力試験機でのテストではエンジンに十分な信頼性があるんだ」
ルノーのF1エンジンプロジェクト責任者であるシリル・アビテブールはそう語ると、次のように続けた。
「だが、実際にサーキットで走らせると、そうではなくなってしまうんだ」
「動力試験設備からサーキットへと移す際の、我々の検証手順に何か間違いがあるのは確かだ。まるで空力パーツのようだよ。風洞施設では本当のことが分からない場合がある。エンジンの世界も、それとまったく同じだということだ」
一時はレッドブルとの決別や、F1から完全撤退することさえほのめかしていたアビテブールだが、現在はルノーとしてもその問題解決に向けて懸命な取り組みを続けていると主張している。
「現在は厳しい時期を乗り越えようとしているところだ。だがこの(レッドブルとの)結婚生活は、最後までやり通してこそ意味があるんだ」
そう述べたアビテブールは、次のように付け加えた。
「我々は、サーキットでいい仕事をしなくてはならない。だが、同時にサーキット外でもいい仕事をする必要があるよ」