先週、フェラーリの前会長であったルカ・ディ・モンテゼモーロが、今季躍進を遂げたフェラーリに対し「運がよかった」と発言したことが報じられていた。だが、こうした発言は単にチームを更迭されたことをモンテゼモーロが苦々しく思っているということを表すものでしかないという批判を招くことになっていた。
モンテゼモーロは、13日(水)に『ANSA通信』に次のように語った。
「こういうことにはもう疲れてしまったよ。今はただ“フェラーリ頑張れ!”と言うだけにしておくよ」
モンテゼモーロのコメントは、フェルナンド・アロンソがフェラーリを見限って今季マクラーレン・ホンダへと移籍したのは大きな間違いだったのではないかとの見方が強くなっているさなかに行われたものだった。
■アロンソにはほかに道はなかった
スペインの元F1ドライバーであるエミリオ・デ・ビロタも、『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に対し、現在マクラーレン・ホンダで苦戦するアロンソの状況は「スペインのファンにとっては残念なことだ」と認め、次のように続けた。
「みんなは、彼(アロンソ)はフェラーリにとどまっていたほうがよかったんじゃないかと言っている。だが、そうしていたとしても問題の解決にはなっていなかっただろう。(セバスチャン)ベッテルだって、まだ3番手にしか過ぎないんだからね」
2012年にマルシャF1カーでのテスト走行中に大けがを負い、翌2013年に急逝した女性ドライバー、マリア・デ・ビロタの父親であるビロタは、仮にアロンソがフェラーリにとどまっていたとしてもF1チャンピオンになれる可能性はなかったと考えている。
アロンソにとって、将来に望みを託すことができるチームがマクラーレン・ホンダだったということだ。
「フェルナンドは避けられないリスクを負うという選択をしたんだ」とビロタは付け加えた。
■ロズベルグも復調。メルセデスAMGに死角なし
事実、先週末のF1スペインGPで今季初優勝を遂げたニコ・ロズベルグは、次戦モナコGP(24日決勝)でもメルセデスAMGがフェラーリに対して優位性を持続できるという自信があると『AS』に次のように語っている。
「バルセロナの最終セクターは、モナコのきついコーナーととてもよく似ているんだ。そして僕たちのクルマはあそこですごくよかった。だから、僕には自信があるよ」
2013年、2014年とモナコで連勝を飾っているロズベルグは、今年モナコ3連覇を目指すことになる。