14日(木)に、F1の意思決定機関であるストラテジー・グループの会合が行われ、今後のF1が向かうべき方向性などについての議論が行われることになっている。
だが、その直前に、現在のF1の不公平な収益分配の実態が明らかにされている。
イギリスの『Times(タイムズ)』が報じたところによれば、昨年フェラーリがF1から受け取った分配金は、チャンピオンチームとなったメルセデスAMGよりも3,700万ドル(約44億円)も多い額だったという。
さらに、「奇妙なことに」、昨年はランキング2位だったレッドブルにもメルセデスAMGよりも高額の分配金が支払われていたことや、フォース・インディアやザウバーといった財政難を抱えた中団グループのチームに分配される金額は1年につき最大で1億ドル(約120億円)までとされていることも明らかになったと伝えられている。
『Times(タイムズ)』は、こうした金額が暴露されてしまったことにより、エクレストンには現在の収益分配システムを撤廃するよう「強い圧力」がかけられることになるだろうとしている。
こうした情報が、誰からどのような形で提供されたのかについては明らかとされていないが、ビジネス戦略の専門家はこれに関して次のようなコメントを寄せている。
「金額にこれほどの不公平がある状態で、小規模チームはどうやって予算をとりまとめたり、競技を行ったりすることができるだろうか?」
「こうした数値は、なぜいくつかのスポンサーがF1に参入するリスクをとろうとしないのかという理由さえ示している」
さらに、『Times(タイムズ)』には、別の関係者の次のようなコメントも掲載されている。
「F1は小規模な独立系チームに対してひどい扱いをしている。こうした支払いシステムは絶望的かつ不当なものであり、対立を招くものだ」
一方、F1の運営にかかわる首脳部ばかりでなく、F1ドライバーたちも現在のF1のあり方について憂慮しているようだ。
F1ドライバーたちによる任意組織であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)では、来週開催されるF1モナコGP(24日決勝)に合わせ、世界のファンに向けて「意識調査」を行うことにしている。
レッドブルのダニエル・リカルドは、そうした試みを行う理由についてツイッターに次のようにつぶやいている。
「僕たちは、ファンのみなさんがF1についてどう思っているかということを聞きたいと考えているんだ」
リカルドは、その意識調査の詳細は来週明らかにされると付け加えている。