レッドブルがアウディにチームを売却するようだとのうわさがささやかれているが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、まだ両者の間で正式な話し合いが行われていないことを明らかにした。
これまでずっとアウディがF1参戦を検討しているようだとのうわさがささやかれていた。そして、最近フェラーリ前会長であるルカ・ディ・モンテゼモーロが、共通の知人から聞いた話だとして、レッドブルがアウディにチーム売却を持ちかけているようだとのコメントをしたことから、このうわさにさらに拍車がかけられている。
事実、アウディの最高経営責任者であるルパート・スタッドラーは、以前のようにF1参戦を完全否定することはなくなっている。スタッドラーは11日(月)に『Auto Express(オート・エクスプレス)』に次のように語った。
「それ(F1)はアウディにとって選択肢のひとつだ。恐らく、すぐに実現することはないだろうが、選択肢のひとつではある」
だが、マルコに言わせれば、そんなに悠長なことは言っていられない状況だという。2014年から新たなV6パワーユニット時代を迎えたF1だが、かつてのF1チャンピオンチームであるレッドブルは、エンジンパートナーであるルノーのパフォーマンス不足や信頼性不足などにより大苦戦を強いられている。
マルコは、11日(月)に『BBC』に対し、「近いうちに競争力のあるエンジンを手に入れることができなければ、アウディが参戦するか、あるいは我々が撤退するかのどちらかだ」と語った。
しかし、マルコは、レッドブルとアウディの正式な話し合いはまだ行われていないことを明らかにし、すぐにアウディとレッドブルのチーム売却交渉が進む可能性は低いだろうと次のようにほのめかした。
「公式には、これまで何の要請も話し合いも行われたことはない」
「(アウディを傘下に置く)フォルクスワーゲン・グループはまず、誰がそのプロジェクトを支える責任者になるのかという問題を解決しなくてはならないし、誰がフォルクスワーゲンのブランドでレースを行うかも解決しなくてはならない。彼らがこうした課題をすべて解決したときに、恐らくは彼らが自分たちのモータースポーツ活動について検討することができることになるのではないかな」
「私も電話をしたことはあるが、それはみんなが考えているような人とではないよ」とマルコは付け加えた。