今季ここまで苦戦が続いているレッドブルだが、ドライバーのダニエル・リカルドがまだ2016年以降もチームに残留するかどうかの意思表示を保留したと伝えられている。
【結果】F1スペインGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
今季のF1第5戦スペインGPが開催されたバルセロナにおいて、リカルドがレッドブルとの2016年以降の契約にサインしたようだとのうわさが駆け巡った。
■自分の身の振り方は今後の状況次第だとリカルド
だが、リカルド本人はこの件についてイタリアの『Sky(スカイ)』に対し、次のように語った。
「僕たちはそのことについて話し合いをしているよ。だけど、それは今年がどういう展開になるか次第だよ」
「僕も、そしてチームも7位争いをするためにここにいるわけではないのは確かだからね」
2014年には4年連続F1チャンピオンであったチームメートのセバスチャン・ベッテルを圧倒し、メルセデスAMGのドライバー以外では唯一3勝をあげたリカルドだが、スペインGPでもまた優勝したニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)に周回遅れにされるという屈辱を味わっていた。
リカルドは続けた。
「今後数か月でどういうことが起きるのか様子をみないとね。そしてもっとパフォーマンスを向上させるために懸命に取り組まないとならないよ」
■ルノーエンジンの改善はシーズン終盤か
かつてベッテルを擁して4年連続でドライバータイトルとコンストラクタータイトルを独占したレッドブルだが、今季は昨年よりもさらに深刻な状況を迎えている。
チーム代表のクリスチャン・ホーナーさえ、10日(日)に2015年シーズンについてはすでに「ほとんどあきらめたも同然」だと認めている。
レッドブル不振の最大の原因はエンジンサプライヤーのルノーが供給するパワーユニットにあるのは間違いないだろう。現在のルールでは、ドライバー1人あたり年間に使用できるパワーユニットは4基までとされているが、リカルドはスペインですでにその4基目のパワーユニットを搭載している。
ルノーでは、そのパワーユニットがまたすぐに壊れてしまうのを避けるために、スペインGPにはパフォーマンスを下げて臨んでいたとされている。
だが、ホーナーはルノーには「頑張り続けてもらうしかない」と主張し、次のように続けた。
「仮に20基のエンジンを使うことになるにせよ、信頼性のあるクルマをさらに速くするより、速いエンジンの信頼性を高めることのほうがずっと簡単なことだからね」
だが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、仮にルノーがそういう取り組み方をしたとしても、表彰台を狙える位置まで行けるのはせいぜい「最後の3レース」くらいだろうと語っている。
■トロロッソのルーキーたちを持ち上げるマルコ
マルコはさらに、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に対して、主要なボディーワークのパッケージが「サーキットでシミュレーターと同様の性能を発揮できなかった」ものの、レッドブルのドライバーたちもスペインでは劣勢に立たされていたと次のように語った。
「我々のレースドライバーたちも気を付ける必要があるね」
「逆に、あまり経験のないドライバーたちのほうがいい仕事ができていたよ」
マルコが言及しているのが、今季トロロッソからデビューした17歳のマックス・フェルスタッペンと、そのチームメートである20歳のカルロス・サインツのことであるのは明らかだ。9日(土)に行われた予選では、サインツが5番手、フェルスタッペンが6番手という好成績を収めていた。
「彼らは2人とも傑出しているよ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「私はサインツのために懸命に後押ししたんだ。彼にはあまり友人や支援者もいなかったからね。だが、私は常に彼を応援していたよ」
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