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フェラーリの勢いが衰えた本当の理由は?

2015年05月11日(月)19:33 pm

F1スペインGP(第5戦)の決勝を終えたメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、再び「ハミルトンvsロズベルグ」というショーがF1に戻ってきたと語った。

【結果】F1スペインGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

メルセデスAMGの非常勤会長を務める伝説的元F1チャンピオンのニキ・ラウダも、開幕から4レース連続でチームメートのルイス・ハミルトンに敗れていたニコ・ロズベルグがスペインで今季初優勝を飾ったことを受け、ロズベルグが「戻ってきた」と表現している。

ヴォルフは次のように続けた。

「昨年も、ニコがいい走りを見せ、勢いが彼のほうへと移ったことがあった。今シーズンも同じことが見られると思うよ」

■フェラーリはここで今季のタイトル争いから脱落?

F1ファンもそうなることを期待しているのは間違いないだろう。今季はフェラーリがメルセデスAMGを脅かす存在となるのではないかと見られていたが、ヨーロッパラウンド初戦のスペインではそのフェラーリの勢いが先細りとなってしまう様相が見えただけになおのことだ。

「この差は、私の腕に負けないくらい痛いよ」

フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、スペインGPの前に手術を受けた腕のことを引き合いに出しながら『Bild(ビルト)』にそう語った。

アリバベーネは、スペインにおいてメルセデスAMGとの差が逆に開いてしまったことを受け、今季のF1タイトル獲得を夢見ることはもはや「高望み」だと言われても仕方がないだろうと認めている。

■ロズベルグさえ驚いたフェラーリとの差

スペインで再びライバルたちに大きな差を付けたメルセデスAMGだが、今季初優勝を飾ったロズベルグでさえそれには驚いたと、次のように語っている。

「そうだね。なぜならバーレーン(第4戦)のときより差が広がっていたし、上海(第3戦)やマレーシア(第2戦)と比べてもそうだったからね。僕たちは正しい方向に向けて大きな前進を果たすことができているよ」

「今週末(スペインGP)では、僕たちがフェラーリとの開発競争に勝利した。これはシーズンの残りのレースに向けての重要な兆候だよ」

■フェラーリ後退の本当の原因は?

実際、フェラーリではスペインGPにこれまでのクルマの70%に相当する部分に改良を加えてきていたと言われているが、それにもかかわらずメルセデスAMGとの差が逆に開いてしまったのは、「燃料流量」の規制がさらに厳しくなったことが一番大きな原因だったのではないかと考えている者もいる。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、メルセデスAMGが故意に予選において燃料流量を「瞬間的に増やしている」ことをほのめかすことによって、FIA(統括団体である国際自動車連盟)が新たな燃料流量関連ルールを導入するよう仕向けたのかもしれないとの推測記事を報じている。

■燃料流量制御の調査実施を明言していたFIA

事実、FIAのF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングは、予選後すぐに今後燃料流量についてさらに厳格な調査を行うとの警告を発している。うわさでは、フェラーリでは現在の燃料流量センサーをごまかす「トリック」を見つけており、それによって昨年に比べて飛躍的にパフォーマンスを改善しているのではないかとささやかれていた。

フェラーリは、これまで低速コーナーの立ち上がりで大きなパワーを発生していると言われていた。だが、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットの最終区間では、セバスチャン・ベッテルのクルマはメルセデスAMGに比べると明らかに速度が劣っていた。

フェラーリでは、こうした燃料流量に関するうわさを否定している。

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