メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、2012年まで在籍していた古巣マクラーレンが今季ここまで苦しむことになるとは思ってもいなかったと認めた。
2014年に2度目のF1タイトルを獲得したハミルトンは、2008年に初めてF1チャンピオンとなったマクラーレンについて、「彼らのオーストラリア(開幕戦)での状況を見たとき、僕は頭の中で“どうしてこんなことになったんだ?”と考えていたよ」と語った。
少年時代からマクラーレン総帥であるロン・デニスに目をかけられていたハミルトンは、2007年にマクラーレンからF1デビュー。F1参戦2年目の翌年にはF1王座にまで上り詰めていた。
F1デビューから8年目を迎えたハミルトンは、現在では2013年に移籍したメルセデスAMGでF1界のスーパースターとしての地位を確立している。
そのハミルトンは、マクラーレンがかつての盟友であったホンダと再び手を組むにあたり、その困難さを「軽く見ていたのではないか」と想像している。
「彼ら(マクラーレン)のファクトリーや、これまでの歴史、その能力といったことを考えれば、(今のマクラーレンの状態は)ありえないよ」
スペインの『El Pais(パイス)』にそう語ったハミルトンは、次のように続けた。
「彼らはエンジンを替えるという決断をしたけれど、僕の経験から見れば、F1ではそうした挑戦が過小評価されることもごく普通のことなんだ」
「例えば、2009年に(ブラウンGPによって導入された)ダブルディフューザーが突然効果を発揮したけれど、ほとんどの人たちはそれを過小評価していた」
「僕は、メルセデスでは何に対しても過小評価していないところにほれ込んでいるんだ」
「そう考えれば、マクラーレンが勝利するために戦うことができていないことにもうなずける。彼らがまたそういう位置に復活してくるとは確信しているけれど、問題はそれがいつになるかということだ」
今季、その新生マクラーレン・ホンダで苦戦を強いられているのが、2007年にハミルトンがデビューしたときのチームメートであったフェルナンド・アロンソだ。これまで2度F1タイトルを獲得しているアロンソだが、ハミルトンはアロンソがもっと多くタイトルをとるにふさわしいドライバーだと次のように続けた。
「決断は自分の判断で行うものだ。だけど、正しいときに正しい場所にいることも必要なことだよ」
「ミハエル・シューマッハは7度F1タイトルをとった。だけど、僕は才能という点から見ればアロンソも彼と同じレベルにあると思っているんだ」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「彼(アロンソ)が自分で決断したことだ。だけど、今のフェラーリがどれほどうまくやれているかということを考えれば、アロンソがまだ契約が残っていたにもかかわらずフェラーリを離脱したことについては“なんてことだ!”って考えてしまうよ」