今どきのF1マシンがもたらすスピードにガッカリした・・・トロロッソの新人カルロス・サインツの弁だ。
フォーミュラ・ルノー3.5シリーズ上がりのサインツ。母国レースのF1第5戦スペインGP初日終了後、彼は次のように語った。「僕はこのサーキットで、もっと速いマシンに乗ったことがあるよ」
「こんなにも遅いのかと、コックピットに座っていてイヤになる」とドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にぶちまける。
9日(土)の予選Q3でサインツが出した1分26秒1は、併催されているF1直下のGP2シリーズ予選でストッフェル・ファンドールネが出したポールタイム1分29秒2とそれほどの大差はない。
レースコンディションではザウバー、フォース・インディア、マノー・マルシャ等より、むしろファンドールネの方が速いかもしれない。
こうした責任の一端をピレリに被せる者もいる。パストール・マルドナード(ロータス)だ。「硬い方のタイヤ(ハード)は、ちょっと硬すぎるぐらいだ」
F1の遅さに戸惑うもう一人のドライバーが、フェラーリの若手プログラムに所属するラファエレ・マルチェロ。彼は8日(金)午前のフリー走行1回目、ザウバーに乗ったが、本職のGP2でトライデントのマシンに乗って出したタイムとコンマ5秒しか違わなかった。
「出力とトルクは(F1の)パワーユニットの方が強力だ」とイタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙に語るマルチェロ。「でも、他はGP2と大差ない」
「僕ら(GP2)はコンマ数秒遅いだけだ。制動距離もほとんど同じだし」とマルチェロはいう。
とはいえ、8日(金)午後に行われたFIA(国際自動車連盟)公式記者会見の席上、F1チームの代表者たちは口々に2017年F1新規則を警戒していた。あまり大きく変わってほしくないのだ。
「F1は、規則の一時代で入口に立っているに過ぎない」というのは、メルセデスAMGのパディ・ロウだ。「これから他のフォーミュラに差をつける、今がまさにその時なのだ」