ドイツ『Bild(ビルト)』紙の報道によるとメルセデスAMGの両ドライバーは、何から何まで違いすぎる。
F1第4戦バーレーンGPから第5戦スペインGPまで3週間の「インターバル」、ニコ・ロズベルグは身重の妻と共にモナコの自宅にこもるか、出かけるにしてもイビサ島の別荘に一度足を伸ばしただけだ。
そんなロズベルグが「カウチポテト」派だとすれば、チームメートのルイス・ハミルトンは「パーティー三昧」だ。
バーレーンとバルセロナの間にハミルトンが3,000万ドル(約35億9,000万円)の自家用機ボンバルディアで稼いだ飛行距離は、実に4万5,000キロ。
モナコの自宅から愛犬ロスコーを連れだしたハミルトンは、ロンドンを経由してマヨルカ島で写真撮影に臨む。その後、イタリアのモンツァでメルセデス・ベンツのイベントに出席。さらにはLAに向かい、友人たちと時間を過ごしてから、次はラスベガスでボクシングのウェルター級世界統一戦マニー・パッキャオ対フロイド・メイウェザーを観戦。そしてニューヨークのファッションショーに出席するといった具合だ。
2015年F1を圧倒的なペースでリードするハミルトンは、北米からヨーロッパに戻るとメルセデスAMGの本拠地でシミュレーターを操り、意気揚々とバルセロナに乗り込んだ。
まるで世界を一周したような忙しさである。
「こんなに幸せを感じたことは久しくないね。仕事の上でもプライベートでも」と7日(木)にバルセロナで語ったハミルトン。
一方、同じくバルセロナでロズベルグは、ある記者から、2015年に入って「やや遅くなった」のではないかとの指摘を受けた。チームメートとの神経戦に負けたのがその理由とのことだ。
ロズベルグは、「ご親切に、ききにくい質問をどうも!」と皮肉っぽく応えたという。
「結果を出されたら何もいえない。数字が示す通りさ。この話はもう終わりだ」
ハミルトンを相手に戦う一方で、ロズベルグは肩越しにセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を警戒しなければならない。彼にはドライバー選手権で1ポイント差に迫られている。そのうえ今週末の第5戦スペインGPでは、大幅に改良されたフェラーリと相見えるのだ。
「勝つか負けるか、ただそれだけの話さ」とドイツ『Bild(ビルト)』に語ったロズベルグ。
「でも僕にはより優れたマシンがある。しかも予選のアドバンテージは、さらに大きい」