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エクレストン、2016年暫定カレンダーで主催者に圧力?

2015年05月07日(木)17:19 pm

4月末に、メディアが全21レースで構成された2016年シーズンの暫定カレンダーを報じていた。

バーニー・エクレストンが率いるF1運営会社であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)は、これを受けて声明を出し、「提案されていた2016年のカレンダーが漏れてしまったようだ」とするとともに、「このカレンダーはまだ承認されたものではない」と付け加えていた。

だが、この2016年の暫定カレンダーを意図的に漏らしたのは誰あろうF1最高責任者のエクレストンだという見方が強い。

これまでに前例のない年間21レースが組み込まれながら、これまでの3月ではなく4月に開幕戦が行われる予定のカレンダーは、これまでよりもかなり日程が凝縮されたものとなっている。8か月間に21レースを行うというのは、F1チームにとっても大きな負担となるのは間違いないだろう。

F1チームたちが、輸送面でのコストや業務負荷を考えれば、最大でも年間20レースが限界だと主張していることはよく知られている。ということは、この暫定カレンダーから少なくとも1レースが削られるというのが最終的な落としどころとなるのではないかという見方もあるようだ。

経験豊富なF1記者として知られるロジャー・ブノワは、84歳となるエクレストンがもっとも強くプレッシャーをかけているのが、F1イタリアGPを開催しているモンツァだと書いている。

もちろん、現在出回っている2016年の暫定カレンダーにはモンツァでのイタリアGPも掲載されている。だが、エクレストンはこれまでにも何度となく、イタリアの主催者たちにもっと多額のレース開催権料の支払いができなければモンツァとの契約は更新できないと警告している。

さらに、暫定カレンダーには新規にヨーロッパGPとして、カスピ海に面し、ロシア、ジョージア(旧呼称はグルジア)、アルメニア、イランに囲まれたアゼルバイジャンでのレースが加えられている。

ブノワはスイスの『Blick(ブリック)』に、エクレストンの次のようなコメントを引用している。

「チームがもっと金が欲しいとわめくものだから、我々としてはヨーロッパの外にそれを求めるしかないんだ」

ブノワは、ヨーロッパのレース主催者たちがエクレストンが求める数百万ユーロ(数十億円)もの開催権料支払いに苦慮している反面、今年カレンダーに復帰したメキシコGP(第17戦/11月1日決勝)の主催者などは、その何倍もの開催権料を用意しているようだと付け加えている。

フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』のルイス・ヴァスコンセロス記者も、エクレストンが2016年の暫定カレンダーを漏らしたのは、いくつかのレース主催者に「意図的にプレッシャーをかける」という目的のためだろうと推測している。

ヴァスコンセロスは、2016年のカレンダーのうち、ロシアGPとマレーシアGPがこれまでとは大きく変わった日程で組まれていることに奇妙な印象を受けると指摘。さらに、開幕戦のオーストラリアGPの翌週に第2戦として中国GPが組まれているが、この実現は「ほぼ不可能」だと言えると書いている。

「エクレストンが、レース主催者たちとどういうゲームをしようとしているのか、そして7月末に出てくる(承認された)カレンダーがどうなるのかということに興味が集まりそうだ」とヴァスコンセロスは付け加えている。

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