かつてマクラーレン・ホンダでアイルトン・セナとチームメートだったゲルハルト・ベルガーは、当時の自分とニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)とを重ね合わせている。
現在55歳のベルガーは、マクラーレンやフェラーリで活躍しF1で10勝を挙げたが、セナのチームメートとしての印象が強い。
当時を振り返って、ベルガーは『Suddeutsche Zeitung(ズードイチュ・ ツァイトゥング)』紙にこう語った。
「1990年の状況は、ニコとルイス(ハミルトン)の状況とよく似ていた」
「私は最初のうちは非常にうまくついていくことができ、セナにとっては頭痛の種だった。だが結局、私は平常心を失ってしまったんだ。彼が2度目のタイトルを取ってからは、いっそう難しい状況になった。その頃には彼は自信に満ちあふれていたからだ」
メルセデスAMGでは、ルイス・ハミルトンがここ10戦で8勝を挙げており、ロズベルグにはその勢いが止められないように見える。
ロズベルグは流れを変えられるかと聞かれたベルガーは、こう答えた。
「可能だ。だが、ここ数週間の彼の様子は気に入らないね」
ベルガーは、自分がセナの陰で絶頂期を終えてしまい、チャンピオンになることはおそらくないのだと悟ったときを振り返り、精神的に「とてつもなくきつかった」と明かす。
「だが、ニコはまだその状況にはなっていない」とベルガーは話している。