今週末のF1バーレーンGP(19日決勝)決勝は、レース途中から照明によってコースがきらめくように浮かび上がる魅惑的なトワイライトレースとして行われる。
だが、第2戦マレーシアGPで劇的な勝利を収めたフェラーリのセバスチャン・ベッテルにとっては、まだ太陽がこうこうと輝く昼間にレースが行われるほうが望ましかったはずだ。
比較的気温の高いバーレーンは、高い気温にうまく合わせることができるフェラーリの2015年型車SF15-Tには有利なサーキットだと考えられている。灼熱(しゃくねつ)の太陽のもとで行われたマレーシアGPでベッテルが勝てたのも、その気温に助けられたせいだと考えている者も多い。
事実、気温が低かった開幕戦のオーストラリアGPや第3戦中国GPにおいては、昨年の覇者であるメルセデスAMGが圧倒的な力を発揮してみせていた。
となれば、フェラーリにとっては少しでも気温が高いほうがメルセデスAMGと戦うチャンスも増えることになるだろう。しかし、昨年からトワイライトレースとして開催されるようになったことで、決勝が始まるころから路面温度が下がり始めるという状況となる。
「ここでの問題は、太陽が沈んでしまうことだね」とほほ笑みながら語ったベッテルは、次のように付け加えた。
「だから、マレーシアで起こったのとほぼ同じことがここでも起こるとは思っていないよ」
ベッテルに残された望みのひとつは、中国GP後に火花を飛ばすこととなったメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがコース上でも意地を張りあって接触事故を起こして2台ともに姿を消してしまうことかもしれない。
ベッテルは、もしそうなれば「大歓迎だ」としながらも、「でも、そんなことが起きるとは思っていないよ」と続け、次のように付け加えた。
「彼らは2人も理性的だし、どうやってそれに対応すればいいのかということも分かっているからね」